「交響曲 第3番」 マーラー

文字数 823文字

<タイトル>

交響曲 第3番 ニ短調

<作曲者>

グスタフ・マーラー

<おすすめ盤>

マリス・ヤンソンス(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

マルクス・シュテンツ(指揮)
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団

<解説>

 アニメ「銀河英雄伝説」に使用された楽曲といえば、ピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。

 出だしから8本のホルンでユニゾンを奏でるというぶっ飛んだ趣向ですが、この旋律はブラームスの交響曲第一番の有名なフレーズ、さらにはベートーヴェンの第九を元ネタとします。

 マーラー先生にとり、ベートーヴェン先生の呪縛はすさまじかったようですが、この3番あたりからは、自分の世界観の中へ落とし込むという発想を得ているように思えます。

 この第一楽章だけで30分もあり、最初はつらいですが、聴き込むうちに病みつきになります。

 全部で6楽章もあり、マーラー先生の交響曲群の中では、物理的な演奏時間ではいちばん長いようです。

 女声ソロや少年合唱まで導入し、なんでもアリな印象を受けます。

 いかにも「交響曲は世界のようでなければならない」と考えていた先生らしいです。

 第6楽章はマーラーの全交響曲の中でもいちばん美しい音楽とされ、これも20程度ある大曲ですが、その甘美さには聴くたびにうっとりとしてしまいます。

 ただ、全体がとにかく長いので、鑑賞するときには気合が必要ですね(汗)

 おすすめは先ごろ鬼籍に入った巨匠ヤンソンスさんと、もはや中堅の枠を飛び越えているように見えるシュテンツさんの録音です。

 コンセルトヘボウもギュルツェニヒもマーラーにゆかりの深いオーケストラです。

 ひたすら穏やかなヤンソンスさんと、血の気の余っているようなシュテンツさん、両者とも捨てがたいです。

 気分によって聴きわけるのがよいと思います。

 秋の夜長にこういうがっつり聴ける音楽はいかがでしょうか。
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