「ピアノ協奏曲 第1番」 ヒナステラ

文字数 861文字

<タイトル>

ピアノ協奏曲 第1番 作品28

<作曲者>

アルベルト・ヒナステラ

<おすすめ盤>

ドーラ・デ・マリニス(ピアノ)

フリオ・マラバル(指揮)

スロヴァキア放送交響楽団

<解説>

 アルゼンチンの作曲家ヒナステラ(1916-1983)が1961年に完成させたピアノ協奏曲で、芸術家を支援する団体であるセルゲイ・クーセヴィツキー財団の委嘱によって書かれました。

 全4楽章からなり、第4楽章がプログレッシブロックバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマーの楽曲「トッカータ」(アルバム「恐怖の頭脳改革」収録)にアレンジされています。

 編曲はキース・エマーソンの手になります。

 それもあってか、プログレのファンがヒナステラの音源を探すという事象もときどき起こるそうです。

 肝心の原曲のほうですが、明らかにバルトークからの影響を受けているとおぼしき、無調を主体とした音楽になります。

 部分的にシェーンベルクの十二音技法も用いられております。

 明確なコードが存在しないといっても、特にバルトークが好きな人はハマるかと思いますし、過激な音楽を好む人にもおすすめです。

 ピアノ協奏曲という古典的なジャンルでありながら、近代の荒れ狂った感じがほとばしっているのがよいですね。

 ヒナステラはメロディアスなナンバーから複雑な楽曲まで、けっこうバリエーションが豊富な作曲家のように見受けます。

 前者ではたとえば「はぐれ者ガウチョの踊り」などが挙げられるでしょうか。

 後世になるほど後者のように晦渋になっていくイメージです。

 おすすめはおそらく一番手に取りやすいと思われる、ナクソス・レーベルの音源です。

 ピアノ協奏曲第2番とカップリングされており、こちらは十二音の比重がかなり高くなっております。

 いずれにせよ前述したとおり、ELPやプログレのファンの方、刺激的な音楽を求める方はのめりこむかもしれません。

 この時代の音楽はけっこうロックな感じなので、影響を与えたバルトークやストラヴィンスキーなどの音楽も、あわせてあさってみてはいかがでしょうか。
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