「人知れぬ涙」 ドニゼッティ

文字数 874文字

<タイトル>

アリア「人知れぬ涙」 ~ 歌劇「愛の妙薬(みょうやく)」から

<作曲者>

ガエターノ・ドニゼッティ

<解説>

 イタリアのオペラ王ジュゼッペ・ヴェルディの先輩であり、彼にも多大な影響を与えた大作曲家ガエターノ・ドニゼッティの作品です。

 歌劇「愛の妙薬」の中で、農民の若者であるネモリーノによって歌われるアリアですが、オペラ史に残る傑作アリアとして知られています。

 村娘アディーナがひっそりと流した涙を見て、自分への愛を確信したネモリーノが、歓喜の気持ちを歌う内容になります。

 しかしながらわたしには、どこか道化師の嘆きのようにも聞こえるのですね。

 曲調が悲しい感じだからかもしれませんが、もしかしたら作曲者ドニゼッティに何らかの意図があったのかもしれません。

 ドニゼッティはたぐいまれな才能を持ちながら、極貧のうちにこの世を去った人物です。

 その様を見ていた後輩のヴェルディは、「著作権」の概念を発想し、芸術家を守ろうとしたともいわれます。

 妄想が過ぎますが、「人知れぬ涙」とは、あるいはドニゼッティその人の涙だったもかもしれません。

 いつの時代にも報われない表現者はいるようですね。

 ちなみにですが、このナンバーはOVA「ジャイアント・ロボ the animation ~ 地球が静止する日」の劇中で印象的に使用され、オペラ歌手の錦織健さんも驚いたと述懐しています。

 もしかしたら、このアニメを見た影響もあって、「切ない歌」のイメージがあるかもしれません。

 興味がおありの方はぜひ、アニメのほうもどうぞ。

 横山光輝さんの漫画のキャラが総動員するので、好きな方は興奮を禁じえません。

 声優陣もよだれの出るビッグ・メンツです。

 作品のことを語り出したら止まらなくなるので、この辺で。

 おすすめ盤は特に指定はしないでおきますが、「オペラ・アリア名曲集」系のCDにたいてい入っているはずです。

 気になった方はとりあえずYouTubeなどをあさるのがよいと思います。
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