「ピーター・グライムズ」 ブリテン

文字数 885文字

<タイトル>

歌劇「ピーター・グライムズ」

<作曲者>

ベンジャミン・ブリテン

<おすすめCD>

ピーター・ピアーズ(テノール)ほか

ベンジャミン・ブリテン(指揮)

コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団および合唱団

デッカ(レーベル)

<解説>

 イギリスの作曲家であるブリテンの、もっとも知られているオペラ作品です。

 英語の歌詞により合唱を主体とした、いわゆる「合唱オペラ」になります。

 実際に起こった事件をもとに台本が書かれています。

 舞台は港のある小さな村で、作品は主人公である漁師ピーター・グライムズが、裁判にかけられているシーンから始まります。

 ピーターの船「ビリー号」が沖合いに出ているとき嵐がやってきて、彼はアシスタントとして乗り込んでいたウィリアム・スポードなる少年を、口減らしのため海に放り投げたという容疑をかけられています。

 ピーターは否定し、証拠も不十分であることから、彼は無罪となります。

 しかし場所は小さな村。

 噂に戸は立てられず、ピーターは大衆から疑念の眼差しを浴びせられます。

 そこから最終的に、彼は沖合いに船を出して、そこで自決を遂げるよう指示されます。

 ピーターはそれを実行し、幕となります。

 現代にも通じる、社会の闇を扱った重いテーマのオペラになります。

 おすすめするのは、作曲者ブリテンによる自作自演盤です。

 ピーター・グライムズを演じるピーター・ピアーズは、彼のパートナーであったことが知られています。

 もしかするとブリテンは、マイノリティに位置づけられる立場として、物語の主人公であるピーター・グライムズに、自身を投影していたのかもしれません。

 その輝かしい功績にもかかわらず、ブリテンは生前、ナイトと呼ばれる一代貴族に叙勲されることは、ついにありませんでした。

 彼の死後、その名誉を回復するための運動が起こっています。

 英語のオペラというのは珍しいですし、近代の音楽としては聴きやすいほうなので、長いですが英語の勉強も兼ねていかがでしょうか。
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