「交響曲 第25番」 モーツァルト

文字数 1,012文字

<タイトル>

交響曲 第25番 ト短調 K.183

<作曲者>

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

<解説>

 以前紹介した第40番と同様、ト短調で書かれています。

 モーツァルトの交響曲の中では、短調はその二つのみなのでした。

 こちらは「小ト短調」と呼ばれることもあります。

 サブタイトルこそついてはおりませんが、映画「アマデウス」の冒頭において、アントニオ・サリエリが「やらかす」シーンで使用された曲といえば、ピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 あれはとても衝撃的な演出でした。

 ほかにもゲームやポップスなどにもアレンジされていますし、どこかで耳にしたことがあるかと思います。

 自分はやはりパロディウスの印象が強いですね。

 作曲された時期はちょうど「シュトゥルム・ウント・ドランク」(疾風怒濤)というムーブメントが起こっており、ざっくり言えば要するに、「これまでのものよりも刺激のある作品を作ってよ」という内容になります。

 たとえばハイドンなども、この時期にはそういった曲をたくさん書いています。

 彼なら交響曲でいえば、だいたい40番台あたりですね。

 有名なエピソードのある第45番「告別」などが知られています。

 また別の機会にでも触れたいところです。

 モーツァルトの第25番ですと、第1楽章には「シンコペーション」というやり方が取り入れられており、ここが当時は大胆で注目されたようです。

 いわゆる「裏拍」を使ったリズムのことですね。

 モーツァルトは音楽理論をたくみに使用していたようで、ほかにも第35番「ハフナー」の出だしでは、はじめの音から一気に1オクターブに飛ばした音を出す(専門用語を失念して申し訳ございません)「跳躍」を聴くことができます。

 また、「トルコ行進曲」の中間部では「遠隔転調」といって、異なる調をじわじわと転調していき、最後はもとの調に戻るというやり方を用いています。

 これはのちのシューベルトにも影響を与えたようです。

 長々とうんちくを垂れ流してしまいましたが、とにかくしびれるナンバーには違いありません。

 おすすめ盤はいくらでもある名曲ですが、あえてあげるのなら上述した「アマデウス」のサウンドトラックでしょうか。

 映画で音楽を担当したネヴィル・マリナーの凄演が楽しめます。

 音楽アプリなどにも音源があるようです。

 ドライブミュージックにもあうほうですので、よろしければご鑑賞ください。
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