「マドリガル」 ジェズアルド

文字数 879文字

<タイトル>

マドリガル 全6集

<作曲者>

カルロ・ジェズアルド

<おすすめCD>

デリティエ・ムジケ

マルコ・ロンギーニ(指揮)

ナクソス(レーベル)

<解説>

 イタリア・ルネサンスの作曲家、カルロ・ジェズアルド先生のお出ましです。

 このジェズアルドさん、やらかした男としても有名なんです。

 不貞を働いた妻と、その不倫相手の男性を、激怒あまってまとめて殺害しているのです。

 しかし彼は貴族という身分だったため、罪に問われることはなかったのですね。

 時代が時代とはいえ、正気の沙汰ではありません。

 音楽史でいうと、ルネサンスはバロックの一つ前に当たります。

 バッハのようなかっちりした感じではなく、なんだかふわふわと、ぼやけているような雰囲気の音楽です。

 マドリガルというのは、当時流行した世俗的な詩を歌詞として、少人数の歌手陣よってパート分けして歌われる、いまでいうポップスみたいなジャンルの音楽です。

 ジェズアルドのほかには、モンテヴェルディという人のマドリガルも有名ですが、この人のものはジェズアルドよりも高尚なイメージです。

 ジェズアルドのものが劣っているという意味ではないので、念のため。

 全部で6集もあり、CDに収めようとするとけっこうな枚数になります。

 しかしながら、このわけのわからない歌が、落ちこんでいるときに聴くとキまる(・・・)んですね。

 奇妙なことですが、ずっと昔の曲なのにもかかわらず、現代音楽を聴いているような新鮮さがあります。

 曲集が後になるほどに、カオス度と聴いたときのカタルシスは増してくる感じです。

 CDはナクソスというレーベルから出ている全集、マルコ・ロンギーニ指揮、デリティエ・ムジケが手に入りやすいと思います。

 はじめは申し訳ないけれど、気持ち悪いとお感じになるかもしれません。

 しかしスルメのようなもので、聴くほどにその良さがわかってくるのですね。

 「毒をもって毒を制す」ではありませんが、「闇をもって闇を制す」感覚で、理不尽に耐える気分です。

 ジェズアルド先生の闇に、あなたは耐えられるか!?

 言ってみたかっただけです、すみません(汗)
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