「エクリプス」 武満徹

文字数 661文字

<タイトル>

エクリプス(蝕) ~ 尺八と琵琶のための

<作曲者>

武満徹(たけみつ とおる)

<おすすめ盤>

小澤征爾(指揮)

サイトウ・キネン・オーケストラ

<解説>

 日本の作曲家である武満徹さん(1930-1996)による尺八と琵琶のための音楽です。

 指揮者の小澤征爾さんがこの曲の録音を師匠のひとりであるレナード・バーンスタインさんに聞かせたところ、「この二つの楽器を使用した協奏曲を書いてほしい」との委嘱を受け、有名な「ノヴェンバー・ステップス」が誕生した経緯があります。

 もとになった音楽と言っては語弊がありますが、いかにも諸行無常な雰囲気の曲で、ひとりで落ち着いているときにゆっくりと鑑賞したくなる世界です。

 和楽器を使うアプローチに対しては批判的な意見もあり、それはたとえばストラヴィンスキーが古典音楽を再構築したようなものと本質を同じくし、要するに「まがいもの」であるということです。

 学問的なことにはうといですが、まあ音楽なんだし、楽しんだもの勝ちではないかと。

 指摘されている方を見たことがないのですが、武満さんは音楽の世界観だけではなく、そのネーミングセンスも秀逸だと思います。

 これも「懐古趣味」だと捉える向きがあるようですね。

 文句をつけたくて仕方のない方は、いつでもどこにでもいらっしゃるようで。

 それはともかく、音楽理論的には複雑なのかもしれませんが、いかにも静寂な感じに、ついついひたってしまいます。

 特に静かな夜にかけると最高ですね。

 近現代の音楽というとひるんでしまいそうですが、たまにはこういうのもいかがでしょうか。
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