「ローマの松」 レスピーギ

文字数 1,073文字

<タイトル>

交響詩「ローマの松」

<作曲者>

オットリーノ・レスピーギ

<おすすめ盤>

ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック

https://open.spotify.com/intl-ja/album/0EZCfLFUkvb8JEya9PP94R?si=usJOR7JoRjCzjc8JVlP_mA

<解説>

 イタリアの作曲家レスピーギの代表作となるオーケストラ曲で、1924年に書かれました。

 1916年作曲の「ローマの噴水」、1928年作曲の「ローマの祭」と合わせ、「ローマ三部作」呼ばれます。

 3つの中ではこの「ローマの松」がもっともポピュラーであり、コンサートでの演奏回数も多いです。

 全体は4楽章で構成されており、内容はだいたい以下のとおりです。

第1楽章 「ボルゲーゼ荘の松」

 松林で遊んでいる子どもたちの様子を描写していますが、とにかく豪華絢爛であり、圧倒的なオーケストレーションに胸が熱くなります。

第2楽章 「カタコンブ附近の松」

 地下墓地の入口に立つ老いた松を描写しています。
 地鳴りのような、しかし美しい祈りの音楽であり、挿入されるグレゴリオ聖歌がそれに拍車をかけます。

第3楽章 「ジャニコロの松」

 満月に照らされた松の荘厳さを描写しており、クラリネットの甘い旋律にうっとりとしてしまいます。
 最後のほうでは「夜鳴きウグイス」、英語では「ナイチンゲール」、フランス語では「ロシニョール」、ドイツ語では「ナハティガル」などと呼ばれる鳥の鳴き声が挿入され、これも興味深い演出となっています。

第4楽章 「アッピア街道の松」

 深い霧が明け、古代ローマの軍隊が進軍してくる様子が描写されます。
 この部分は一大スペクタクルであり、クライマックスとしてまさにふさわしい音楽となっております。
 鼓膜がどうにかなるのではないかと思うほどの大音響、しかしじゃんじゃんボリュームを上げたくなる熱さです。

 簡単に解説を付しましたが、この曲にかぎっては四の五の言わずに聴いてくださいという所感です。

 全体でおよそ20分ほどと、それほどの長さではありませんので。

 おすすめはこのエッセイではおなじみ、シノーポリ盤を紹介しておきます。

 立体的な音楽に聞こえ、情景がまさに浮き上がってくるかのような名盤となっております。

 この曲が気になった方は「噴水」と「祭」のほうも聴いてみてください。

 方向性は若干違いますが、どちらもすばらしい音楽です。

 イタリア近代の作曲家は意外にも少ないので、ぜひレスピーギ先生で渇きを癒やしていただきたいところです。
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