「惑星」 ホルスト

文字数 1,053文字

<タイトル>

組曲「惑星」 作品32

<作曲者>

グスターヴ・ホルスト

<おすすめ盤>

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン国立歌劇場合唱団

<解説>

 イギリスの作曲家ホルストによる有名なオーケストラ組曲です。

 「火星」と「木星」が特に知られているでしょう。

 特に「木星」は、平原綾香さんが「ジュピター」のタイトルでアレンジし、話題となりました。

 組曲の内容としては、「火星 戦いをもたらす者」「金星 平和をもたらす者」「水星 翼を持った使者」「木星 快楽をもたらす者」「土星 老いをもたらす者」「天王星 魔術師」「海王星 神秘主義者」の7曲で構成されています。

 友人である同国の作曲家、アーノルド・バックスの弟・クリフォードから占星術の知識を授かり、あるいはやはりイギリスの詩人であるウィリアム・ブレイクの神秘主義などからの影響もあいまって、この曲が作られるきっかけになったと言われております。

 一時期、冥王星が天文学的に「惑星」の定義に入れられ、コリン・マシューズという作曲家が「冥王星」を書き、これを含めた「補完版」の録音もいくつか出たようです。

 しかし残念ながら、冥王星はのちに惑星の定義から再び外され、クラシックファンからは「マシューズ涙目」などとささやかれたりもしました。

 しかしながら、取り組みとしては意義があると思いますし、とても興味深かったです。

 ある研究によると、惑星の中心である「木星」はイギリスのことを指しており、ほかの惑星はその衛星国の見立てであると考えられているそうです。

 また、その「木星」の有名な中間部(平原さんが歌をつけた部分)は、イギリスのさらに中心である英国王室を指しているんだとか。

 ホルスト自身が本当にそう意図していたかはともかく、いかにもミステリアスかつ夢のある話だと思います。

 おすすめはカラヤンがウィーン・フィルを振った、ファンの間では名盤のほまれ高い録音です。

 カラヤンはのちにベルリン・フィルと同曲を再録音していますが、やはり旧盤のほうが圧倒的な人気のようです。

 この音源が発売された当初は、オーケストラのクレジットに「ウィーン交響楽団」と記載されていましたが、これはどうやら誤植であったようです。

 いまでは「ウィーン・フィル」に修正がなされています。

 なんとも紛らわしいことですね。

 聴きやすい音楽ですし、曲の長さなどもほどよい、バランスの取れたナンバーになっております。

 天体観測に興じながらかけると最高かもしれません。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み