「詩人の恋」 シューマン

文字数 777文字

<タイトル>

歌曲集「詩人の恋」 作品48

<作曲者>

ロベルト・シューマン

<おすすめ盤>

フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)

フーベルト・ギーゼン(ピアノ)

<解説>

 「女の愛と生涯」と並ぶシューマンの二大歌曲集のひとつです。

 男声を想定して書かれた曲になりますが、現在では女声で歌われることも珍しくなくなったようです。

 作曲は1840年に行われ、この時期は通称「歌の年」と呼ばれます。

 クラシックの作曲家には傾向として多い気がしますが、シューマンもかなりの気分屋だったようです。

 ある時期には歌ばかり書き、またある時期には室内楽に取りつかれたりしているのです。

 音楽を研究する職業の人にとっては、分類がしやすいというのがなんだか皮肉にも感じます。

 全16曲から構成されており、詩はハインリヒ・ハイネの作品によります。

 内容をごぞんじ方もいらっしゃるかもしれませんが、「恋愛」「失恋」「絶望」というストーリー仕立てになっております。

 ホンマに好きですよね、この時代の人たち。

 シューベルトもそうですが、やたらと失恋ソングが多いイメージです。

 現代によみがえったら神Pになれるかもですね(どういう意味?)

 「女の愛と生涯」は比較的さわやかな楽曲ですが、こちらはシューマンの体臭が濃厚であると、ファンですらも敬遠するようです。

 ただしそのぶん、ハマると病みつきになります。

 おすすめするのは有名盤として知られる、夭折の天才テノール・ヴンダーリヒのものになります。

 いかにももてそうな彼が歌うのはともかく、シャープでとぎすまされたマスターピースです。

 こういう精神的なゆらぎを表現したナンバーは、落ちているときなど個人的に極まることが少なくないです。

 シューマンもやはり、クララのことが頭にあったのでしょうか?

 ひょっとしたら、彼の精神世界が垣間見えるかもしれませんよ。
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