「大魔王」 すぎやまこういち

文字数 735文字

<タイトル>

大魔王

<収録アルバム>

ドラゴンクエスト伝説

<作曲者>

すぎやまこういち

<解説>

 すぎやまこういちさんが作曲をなさった、一連のドラゴンクエスト・シリーズから選曲され、一部新曲を加えたゲーム音楽のオーケストレーション・アルバムから。

 ドラゴンクエストVのラスボスであるミルドラース(最終形態)および、裏ボスであるエスタークのテーマ曲です。

 すぎやまさんはクラシック音楽のイディオムを作曲に取り入れることで知られていますが、この楽曲は全体的に、ストラヴィンスキーの「春の祭典」に着目しているように感じられます。

 「ふぁっふぁ、ふぁっふぁ」という独特のリズムは、バルトークのピアノ協奏曲第2番、そして興味深いのは、一部に対位法的な手法が取り入れられていることでしょう。

 「対位法」とは、大バッハにいたって完成を見たといわれる音楽の書法の一つで、もっとも知られているのは「フーガ」だと思います。

 「カエルの歌」の高度なもの――とは、よく使われる表現です。

 ここではいくつかの不協和音で構成される音型を使用しているのが面白いですね。

 ストラヴィンスキーやバルトークといった近代音楽、さらには古典的な対位法まで、さまざまな要素を有機的に組み合わせる手腕は圧巻です。

 もちろん、音楽自体はすぎやまさんの世界で、それらの要素を自身のフレームに落とし込んでいるのがすごいと思います。

 これはとても興奮しますね。

 これは音楽ですが、小説もかくありたいものです。

 爪の垢を煎じて飲みたいですね(汗)

 推薦したCDのほかにも、同曲が収録されたアルバムは存在するかもしれません。

 手に取りやすいものを、ぜひ。
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