交響曲 第101番 「時計」 ハイドン

文字数 969文字

<タイトル>

交響曲 第101番 ニ長調 「時計」

<作曲者>

ヨーゼフ・ハイドン

<おすすめCD>

サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)

ロンドン交響楽団

デッカ(レーベル)

<解説>

 ハイドンのおそらく一番有名な曲だと思います。

 第2楽章のリズムが時計の振り子が時間を刻むのに似ているからと、このサブタイトルで呼ばれています。

 ハイドン自身が名づけたわけではなく、19世紀になってからそう呼称されはじめたようです。

 CDやBGMとしてよく流されますから、たぶんごぞんじかと思います。

 ハイドンは晩年、イギリス・ロンドンの興行主として名を馳せていたヨハン・ペーター・ザロモンに声をかけられ、第93番から第104番までの12曲を作曲しています。

 なのでこの12曲は「ザロモン・セット」だとか、ロンドンで初演されたので「ロンドン・セット」などと通称されます。

 正確には第93番から第98番までが「第1期ザロモン・セット」、第99番から第104番までが「第2期ザロモン・セット」とされます。

 そのころハイドンはもう「おじいちゃん」で、彼を「パパ」と慕っていた後輩モーツァルトは先に早逝しました。

 ハイドンがロンドン行きを決意した際、モーツァルトは老体の彼をいたく心配したそうです。

 当時はフランス革命からの流れで市民階級が台頭しはじめていて、音楽は宮廷から一般家庭へと普及、楽器を購入して演奏をするのがひとつのステータスになっていたんだとか。

 ハイドンの室内楽は特に好まれ、ヨーロッパで彼はけっこうな有名人になっていたようです。

 人生のほとんどを貴族のためのサラリー作曲家として過ごしたハイドンにとっては、複雑な気持ちもあったかもしれません。

 渡英したとき彼は大歓迎を受け、オックスフォード大学から名誉博士号まで授与されています。

 人間の人生なんて、わからないものですね。

 おすすめはハンガリー生まれでイギリスに帰化し、「サー」という一代貴族の称号を得たゲオルグ・ショルティのセットです。

 劇的な演出を好む彼らしく、ハラハラドキドキさせてくれる名盤になっています。

 CDは廉価版が出ているはずですので、ハイドン最後の12曲をまとめて鑑賞するのも乙だと思います。
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