弦楽四重奏曲 「ひばり」 ハイドン

文字数 958文字

<タイトル>

弦楽四重奏曲 作品64-5 ニ長調 「ひばり」

<作曲者>

ヨーゼフ・ハイドン

<おすすめ盤>

エンジェルス弦楽四重奏団

モザイク弦楽四重奏団

<解説>

 弦楽四重奏曲「ひばり」は、ハイドンがエステルハージ侯爵につかえていた時期に書かれたものです。

 エステルハージ侯爵は中世から存在する名門貴族であり、ハイドンの創作の大半は侯爵のもとでおこなわれました。

 「ひばり」を含む6曲のセットは、宮廷楽団のヴァイオリニストで実業家のヨハン・トストからの依頼によって作曲されたので、通称「トスト四重奏曲」と呼ばれます。

 トストの依頼によるものはこれが3番目なので、正確には「第3トスト」といいます。

 サブタイトルの「ひばり」は、第一楽章の第一主題の旋律がひばりの鳴き声を連想されるところから愛称されます。

 英語表記は「The Lark」です。

 とても構造的に書かれており、この手法はのちにモーツァルトやベートーヴェンも取り入れています。

 メロディと伴奏がただあるのではなく、4つの楽器が有機的に動き、それぞれ活躍できるように配慮してあります。

 この書法は交響曲などにも受け継がれていますから、すごい人なんですよハイドン先生。

 なぜもっと評価されないのか。

 先生の修行時代は謎に包まれているのですが、幼いころはウィーンの聖歌隊、現在のウィーン少年合唱団の前身に所属していたんだとか。

 「おいた」をしたとして、女帝マリア・テレジアの命令でおしり百たたきの刑を(こうむ)ったそうです。

 いや、達する前に死にますから(汗)

 マンガのバキに書いてありました(ん?)

 おそらく誇張されたエピソードなのだと思いますが、あのニコニコした先生にもそんなやんちゃな時期があったのですね。

 「ひばり」はとにかくさわやかなナンバーなので、晴れた朝などにはうってつけ一曲です。

 構造とかは特に気にしなくてもいいでしょう。

 音楽は楽しんだもの勝ちだと思います。

 通学・通勤前などにいかがでしょうか。

 おすすめしたのは全集を作っているエンジェルス・カルテットと、ハイドンが存命中の楽器や奏法を使うモザイク・カルテットの2種です。

 どちらもすばらしい名盤ですし、モザイクのほうもある程度まとまった録音があるので、ぜひとも先生の軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)な世界にひたっていただきたいです。
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