ヴァイオリン・ソナタ 第9番 「クロイツェル」 ベートーヴェン

文字数 795文字

<タイトル>

ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 「クロイツェル」

<作曲者>

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

<おすすめ盤>

ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

<解説>

 10曲あるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中で、第5番「春」と並んで知られているナンバーです。

 タイトルの由来はヴェルサイユ生まれのヴァイオリニスト、クロイツェルに献呈されたところからつけられています。

 しかし、当のクロイツェルは、この曲を「不可解千万」として、ついに一度も演奏をすることはありませんでした。

 そもそもこの曲は、はじめイギリスから演奏旅行に来ていたヴァイオリニスト、ブリッジタワーのために書かれたのですが、彼の気取った態度が気に食わないとして、結局クロイツェルのほうに捧げられたという、なかなかめんどうくさい経緯を持っています。

 初演はブリッジタワーとベートーヴェン自身であり、それ自体は大成功を収めたのですが。

 ベートーヴェン自身が「ほとんど協奏曲のように書いた」と述べているように、とにかくヴァイオリンとピアノの丁々発止になっており、熱気ムンムン、体臭ムラムラな名曲です(コラ)

 ロシアの文豪トルストイが、同名小説の中で、夫が妻を殺害する動機として使用し、さらに有名になったと言います。

 さらには、その小説からの影響で、チェコの作曲家ヤナーチェクが弦楽四重奏曲を書いたり、こちらもややこしいです。

 なんにしても、個人的に、夏になると聴きたくなる一曲です。

 うだる暑さの中、この曲をかけたら、どうなるでしょうね(汗)

 おすすめはスタンダード盤とも言えるクレーメルとアルゲリッチの共演です。

 このサラッと弾いてしまっている感じ、いかにも天才どうしと言いますか。

 暑苦しい曲にもかかわらず、クールな印象を受けます。

 夏場はこれで渇きを癒やすのも悪くありません。
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