「イーハトーヴ交響曲」 冨田勲

文字数 443文字

<タイトル>

イーハトーヴ交響曲

<作曲者>

冨田勲

<解説>

 2016年に鬼籍に入られた作曲家・冨田勲さんが、宮沢賢治の世界観を落とし込んだ交響曲になります。

 メインヴォーカルに初音ミクさんが起用され、たいへん話題になったのは記憶に新しいところです。

 音楽にはフランスの作曲家ヴァンサン・ダンディの「フランス山人の歌による交響曲」や、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフの「交響曲 第2番」などのフレーズが顔を出し、これも興味深い演出になっております。

 楽章は先述の宮沢賢治のほか、岩手県の民謡などで構成されています。

 自分が東北人だからなのか、この郷愁を誘う感覚には、言葉に表せない懐かしさのようなものを覚えます。

 日本人のアイデンティティに訴えかける何かがあるのかもしれません。

 冨田先生のキャリアの集大成と言える作品で、煎じ詰められたような密度になっているのが魅力のひとつです。

 聴いているとあっという間に時間が過ぎてしまい、終わったあとまた最初から聴きなおしたくなる、そんな傑作です。
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