「夏の夜の夢、ではなくて」 シュニトケ

文字数 651文字

<タイトル>

夏の夜の夢、ではなくて

(原題:[K] ein Sommernachtstraum)

<作曲者>

アルフレート・シュニトケ

<おすすめCD>

レイフ・セーゲルスタム(指揮)

マルメ交響楽団

NAXOS(レーベル)

<解説>

 ドイツ・ユダヤの流れをくむ旧ソ連の作曲家シュニトケのオーケストラ作品です。

 モーツァルトを思わせるのんびりとした室内楽で始まるのですが、あれよあれよという間に音楽が崩壊(ほうかい)し、少し戻ったかと思うとまたズタズタになって……それが10分程度の流れで繰り返されます。

 あたかも、日常がどんどん壊れていく様を描写したような……

 シュニトケという人は、精神的な苦しみに生涯襲われつづけたそうですが、それらの発露(はつろ)投影(とうえい)なのかもしれません。

 理性と狂気は紙一重(かみひとえ)――というか、昼と夜とで見え方が違っても、やはり同じ月であるように、どんな存在にも表と裏があると(うった)えているようにも感じられ、聴いていていろいろと考えされられる曲です。

 いわゆる現代音楽であり、鑑賞して楽しい音楽とはいえませんが、人間にとって本質的なものを表現しているようにも思え、ついうなってしまいます。

 ホラー音楽とも取れますが、シュニトケの暗部に興味がある方は、もしよろしければ。

 戻れなくなってしまっても、わたしは責任を持ちません(コラ!)

 おすすめしたNAXOSのサイトで試聴などが可能です。
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