「鳳凰の柩」　陰陽座

＜タイトル＞

鳳凰の柩

＜収録アルバム＞

龍凰童子

＜アーティスト＞

陰陽座

＜解説＞

　陰陽座の最新アルバムが出たので、今回ご紹介したいと思います。

　自分は目下、移動中にSpotifyでヘビロテしております。

　アルバム自体は、あえて言うのなら「理想的」なコンセプトアルバム、すなわち全体にストーリー性のあるアルバムの「型」に、良い意味でぴったりとはまっていると感じました。

　開幕を告げる「霓(にじ)」、序奏的な「龍葬(りゅうそう)」に続き、スピードチューンであるこの「鳳凰(ほうおう)の柩(ひつぎ)」が流れます。

　コンセプトアルバムとはそもそも、プログレッシブロックというジャンルで培われた概念です。

　しかるにこの「龍凰童子(りゅうおうどうじ)」も、これまでの陰陽座の作品に比し、プログレ色が濃厚になっていると思いました。

　楽曲自体が煎じ詰められたようになっており、いつものたとえを使うと、源流から下流にたどりつくころの巨石は、もうこれ以上削りようのないほど丸くなっていると言ったところでしょうか。

　バンドのたゆまぬ研鑽の賜物ではないかと頭が下がるばかりです。

　歌詞の表現もさらに純度を増しており、いちいちゾクゾクさせられます。

　メインヴォーカルである黒猫さんと、リーダーでベースの瞬火さんが歌うパートも含め、全体的にとてもバランスが良いです。

　なんだか堅苦しい解説になってしまいましたが、問答無用でたぎることのできる名作であることは確かです。

　メタルは苦手という方も、この際いかがでしょうか。