「展覧会の絵」 ムソルグスキー

文字数 941文字

<タイトル>

組曲「展覧会の絵」

<作曲者>

モデスト・ムソルグスキー

<おすすめ盤>

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ドイツ・グラモフォン(レーベル)

<解説>

 「展覧会の絵」はもともと、ロシアの作曲家ムソルグスキーが、若くして他界した友人の画家ハルトマンの遺作展へおもむいたとき、特に印象に残った10枚の絵からの着想を、ピアノの組曲にまとめたものです。

 完成した作品はハルトマンの追悼記念として発表されましたが、当時の聴衆には受け入れられず、そのままになっていました。

 ところがおよそ50年後、ボストン交響楽団の指揮者だったセルゲイ・クーセヴィツキーがこの曲に目をつけ、「管弦楽の魔術師」として知られていたモーリス・ラヴェルにオーケストラ編曲を依頼、発表されるやいなや、一気にポピュラー曲となりました。

 組曲の構成は「小人」「古城」「テュイルリーの庭」「ポーランドの牛車」「卵の殻をつけたひな鳥の踊り」「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」「リモージュの市場」「カタコンブ」「バーバ・ヤーガの小屋」「キエフの大きな門」の10曲となっており、その間に有名な「プロムナード」が挿入される形です。

 「プロムナード」はピアノ版は5回、オーケストラ版は4回演奏されます。

 「キエフの大きな門」はテレビ朝日系の番組「ナニコレ珍百景」でも有名になりました。

 ピアノ版ももちろんよいのですが、オーケストラ版はラヴェルの計算しつくされた演出が見事としか言いようがなく、また楽器の組み合わせもさすがの感があり、興奮せずにはいられません。

 ご興味がおありの方は、エマーソン・レイク・アンド・パーマーによるプログレッシブ・ロック版も聴いてみてください。

 キース・エマーソンが組曲をまるごと編曲してあります。

 カーテン・コールの「ナット・ラッカー」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」の「行進曲」の編曲も面白いです。

 CDは無難かもしれませんが、カラヤンのものを推薦しておきます。

 とにかくゴージャスな曲をゴージャスに聴かせようというカラヤン先生の意気込みが伝わってきて、入門には最適だと思います。

 ピアノ版、オーケストラ版、ロック・アレンジ、全部おさえておきたい名曲です。
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