「ピース・セルズ」 メガデス

文字数 658文字

<タイトル>

ピース・セルズ

<収録アルバム>

ピース・セルズ…バット・フーズ・バイイング?

<アーティスト>

メガデス

<解説>

 2023年2月、6年ぶりの来日公演によって、わきにわいているアメリカのヘヴィメタルバンド・メガデスのセカンドアルバム、そのタイトル曲になります。

 発表当時バンドは壊滅的な状態にありましたが、このアルバムがビルボード入りを果たすなどして、実質的に出世作となりました。

 歌詞の内容は、リーダーであるデイヴ・ムステイン(通称「大佐」)が、自身がこうむっている理不尽や不条理をこれでもかと投影しているいっぽう、タイトルが示すとおり、ある種の抽象的な哲学命題へと発展させています。

 ミクロからマクロへ、帰納的アプローチと申しますか、これは見事な手法ですね。

「平和が売ってるぜ。でも、いったい誰が買うっていうんだ?」

 大佐一流の皮肉と言えるでしょうが、このようなご時世だからこそ、響いてくるものがあります。

 万事は形にあらずというと説教くさいですが、メタルという一般には忌避さえされかねないジャンルで、このように物事の本質を投げかけるのにはしびれます。

 このあたりから現代にいたるヘヴィネス・コンテンツの方向性がひとつ、決まったような所感すら受けますね。

 今回あらためて聴き直し、いっこうにあせている印象を受けないのは、やはり普遍的なエッセンスを持っているからなのでしょう。

 なんだか堅くなってしまいましたが、トレンドでもありますし、ごぞんじのない方もこの際、メガデスにデビューしてみるのはいかがでしょうか。
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