「ゴルトベルク変奏曲」 バッハ

文字数 1,163文字

<タイトル>

ゴルトベルク変奏曲

<作曲者>

ヨハン・セバスティアン・バッハ

<おすすめCD>

アンドラーシュ・シフ(ピアノ)

デッカ(レーベル)

<解説>

 音楽一家・バッハ家で一番有名な通称・大バッハ ―― 「音楽の父」と称されますが、正確には「近代音楽の父」といったほうが無難でしょう。

 「音楽の父」だけだと、いろいろ誤解があるし、マニアが騒ぐのです(わたしとか 汗)

 それはともかく、「バッハの最高傑作は?」という質問をすると、クラシック音楽のファンなら「マタイ受難曲」か、この「ゴルトベルク変奏曲」と答える ―― それくらいの人気曲です。

 冒頭で「アリア」が演奏され、それを30回も変奏したあと、もとの「アリア」に戻る ―― CDのトラック数でいうなら、32トラックとなっている場合がほとんどだと思います。

 この32という数字は、意外に重要かもしれません。

 ベートーヴェンが生涯に作曲したピアノ・ソナタの数も、32曲です。

 研究者や評論家たちは、こぞってこれを話題に挙げるのですね。

 ベートーヴェンが意識したのではないか、と。

 もっとも、これは音楽なのですから、そういう学問的なことは抜きにして、楽しんだほうがよいでしょう。

 とにかく、「アリア」だけでも、やたらに有名な曲です。

 個人的には、細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」の中の、「タイムリープ」するシーンで使われていたのが、とても印象的でした。

 それ以前は映画「羊たちの沈黙」で、ハンニバル・レクター博士が好んで聴いている音楽というイメージが強かったのですが、わたしの中で払拭(ふっしょく)された感じです。

 有名なCDはおそらく、カナダ出身のピアニストで、天才の名をほしいままにした、グレン・グールドさんの録音でしょう。

 再録音もされており、旧盤・新盤それぞれで特別なファンを持っています。

 わたしが個人的に好きなのは、アンドラーシュ・シフさんという、ハンガリー出身のピアニストです。

 とにかく音楽が好きで好きでしかたがない、そんな気持ちがやさしいタッチから漏れ聞こえてくるようです。

 デッカというレーベルに、バッハの主要な鍵盤楽曲を録音したボックス・セットがあり、その中の最後の一枚になっています。

 廉価による再発版が出ているはずですので、この際どっぷりとバッハにつかるというのはいかがでしょうか。

 夜にくつろぎたいときなど最高ですよ。

 ちなみにこの変奏曲は、不眠に悩む貴族 ―― ゴルトベルク侯爵(こうしゃく)という人で、作品名はそこに由来します ―― からの依頼を受け、バッハが作曲したものですが、この音楽を前にして、眠るのは難しいかもしれません(汗)
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