「アルルの女」 ビゼー

文字数 867文字

<タイトル>

劇音楽「アルルの女」 作品23

<作曲者>

ジョルジュ・ビゼー

<おすすめ盤>

シャルル・デュトワ(指揮)

モントリオール交響楽団

<解説>

 フランスの作曲家ビゼーによる、劇音楽が原曲のオーケストラ組曲です。

 第1組曲と第2組曲、それぞれ4曲ずつ計8曲が存在しますが、第2組曲のほうは彼の死後、友人である作曲家ギローによって編まれたものです。

 この辺の経緯がちょっと複雑ですね。

 流れを要約すると、そもそも「アルルの女」はドーデ作の戯曲であり、その音楽をビゼーが作曲してつけました。

 1872年に初演されたものの、作品自体はさんざんな不評のうちに終わったのです。

 ところが音楽のほうはたいへんな高評価を得たので、気をよくしたビゼーは劇音楽の中から4曲を選び、演奏会用の組曲としてまとめました。

 これが今日、「第1組曲」と呼ばれるものになります。

 そして1879年に彼が死去すると、前述のとおりギローがさらに4曲の組曲、すなわち今日では「第2組曲」と呼ばれるものを完成させました。

 原曲の断片をつなぎあわせたり、ビゼーの他の作品から拝借したフレーズを使用したりと、現在であれば問題になりかねないやり方かもしれません。

 しかし結果として、いまではよりポピュラーなのは第2組曲のほうであると言えそうですから、なんとも皮肉なことがあるものです。

 「ファランドール」がある時点で勝ちゲーな気がします。

 もちろん、ビゼーの原曲が劣っているという意味ではありませんので、念のため。

 内容はやはりその「ファランドール」がもっとも有名ですが、第1&第2にそれぞれおかれた「メヌエット」は、どちらもテレビのCMなどに使用され有名です。

 とにかくメロディ・メーカーなんですよね、ビゼー先生。

 おすすめはこの組曲の代表盤のひとつとして、長らく愛されているデュトワの音源です。

 過不足のない演奏であり、甘いケーキでも食べているかのような至福の時間を与えてくれることうけあいです。

 聴いてみれば知っている曲の多いナンバーですので、断片的にごぞんじの方などもぜひ。
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