「火祭りの踊り」 ファリャ

文字数 732文字

<タイトル>

火祭(ひまつ)りの(おど)

バレエ組曲「恋は魔術師」から

<作曲者>

マヌエル・デ・ファリャ

<おすすめ盤>

ロリン・マゼール(指揮)

ベルリン放送交響楽団

ドイツ・グラモフォン(レーベル)

<解説>

 スペインの作曲家ファリャの手になるバレエ音楽「恋は魔術師」の中の一曲で、作品自体はマルティネス・シエーラの台本から書かれました。

 アンダルシアなまりのジプシーの娘カンデーラの物語で、浮気者男の亡霊になやまされるも、本命の恋人であるカルメロと結ばれるという、ちょっぴりホラーな筋立てになっています。

 「火祭りの踊り」は特に人気のあるナンバーで、ファリャの代表曲のひとつでもあります。

 初演自体は芳しいとは言えなかったのですが、のちに作曲者自身が演奏会用組曲に編曲すると、親しまれる音楽となりました。

 これはクラシックではよくあるパターンですね。

 不気味な弦セクションに誘導され、あやしげなリズムが展開し、オーボエの主題が乗っかってきます。

 眼前に儀式的な光景が広がるかのようで、ファリャの表現力に驚かされます。

 彼はスペインの伝統音楽を、クラシック音楽に結びつけた第一人者であり、彼がいなければ、スペイン産クラシックは存在しえなかったとまで言われます。

 この曲は子どもの頃に購入した、「ミステリアス・クラシック」というコンピレーション・アルバムに含まれており、好んで聴いていたんです。

 おすすめ盤はまさにその音源だった、マゼールのものを推しておきます。

 比較的キャリアの早い時期に録音されたものですが、過不足のない演奏にもかかわらず、煮えたぎります。

 熱気の伝わってくるナンバーですが、むしろ夏場に聴くとテンションが上がるかもしれません。

 呪術的なリズムに興奮することうけあいです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み