「ハンガリー行進曲」 ベルリオーズ

文字数 1,063文字

<タイトル>

ハンガリー行進曲 ~ 劇的物語「ファウストの劫罰」

<作曲者>

エクトール・ベルリオーズ

<おすすめ音源>

小澤征爾(指揮)
ボストン交響楽団

https://www.youtube.com/watch?v=PCpFsPF78G8

https://open.spotify.com/intl-ja/track/6O7LuVDS0gOwHle4vVCLtk?si=b6714c94744741bd

<解説>

 僭越ながら今回は、小澤征爾さんの追悼回とさせていただきたく思います。

 映像などで確認できる情報から、覚悟はしていたのですが……

 子どもころから当たり前のように見てきた方がいなくなってしまうのは、音楽ジャンルにかぎらずつらいものがあります。

 個人的に心に残っているのは、武満徹さんが作曲した「ノヴェンバー・ステップス」のアメリカ初演にまつわるエピソードです。

 当時はまだ日本文化が世界に知られておらず、無理解からくる行為を受けたりもしたのですが、小澤さんはこれらに対し、毅然とした態度でふるまったとのことです。

 このやり取りはNHKのドキュメンタリーにもなっていると思いました。

 ヘルベルト・フォン・カラヤンやレナード・バーンスタインに師事し、若くしてルドルフ・ゼルキンなどの巨匠とも共演しています。

 楽曲を何にするかはさんざん迷ったのですが、小澤さんが得意とした作曲家のひとりであるフランスのベルリオーズにしてみました。

 「ハンガリー行進曲」は「ファウストの劫罰」という一種の音楽劇(正確にはオペラではない)の挿入曲です。

 原作であるゲーテの「ファウスト」には存在しない場面を彼は冒頭にぶちこみ、献呈した楽譜を無言で返却される始末だったそうです。

 しかしながら、この部分がなかなかよいのですね。

 音楽もエピソードもベルリオーズ節全開で非常に楽しめます。

 大学生くらいのときこのナンバーに夢中になっていて、イーゴリ・マルケヴィチや前述のレナード・バーンスタインの音源も好きだったのですが、自分としては小澤さんの演奏が一番しっくりときて、ヘビーローテーションしていたんです。

 教科書に載っている人物が亡くなってしまうのは悲しいですが、小澤さんの仕事は確かに残っていて、そこがまた感動的ですね。

 少しおセンチになってしまいましたが、この曲にかぎらず音楽アプリや動画サイトなどでぜひ。

 小澤征爾先生、たくさんのかけがえのない思い出をありがとうございます。

 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 どうかゆっくりとお休みになってください。
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