「中国の太鼓」 クライスラー

文字数 827文字

<タイトル>

中国の太鼓

<作曲者>

フリッツ・クライスラー

<解説>

 ユダヤ系オーストリア人でウィーンに生まれたヴァイオリニスト・作曲家クライスラーによる、ヴァイオリンとピアノのための小品です。

 この曲は彼が自身の演奏会に向けて書いた作品であり、サンフランシスコのチャイナタウンを訪れたときに着想したといいます。

 あくまでクライスラーのイメージの中での「中国」ということになりますが、およそわれわれのイメージするそれとかなり近しいのではないでしょうか。

 ピアノの連打が太鼓を模しており、ヴァイオリンのフレーズは彼が鑑賞したという京劇のメロディからインスピレーションを得ています。

 注意しておきたいのは、いわゆる「パクリ」では決してなくて、未知の国へ想いを馳せるクライスラーのファンタジックなイメージングによるということです。

 この手の誤解はたとえばドヴォルザークの「新世界」などでもありますね。

 ドヴォ先生の場合はまた事情が違うようですが、それは別の機会にでも。

 クライスラーはモンスター級の天才であり、地元の名門ウィーン音楽院には特例として7歳で入学を許可され、わずか10歳で首席で卒業しています。

 その後も12歳でパリ音楽院を首席卒業したり、全米ツアーを大成功させたり、ベルリン・フィルと共演してみたり……

 まあ、異次元ですわな(汗)

 これほどの才能を持ちながら、作曲家としてはなかなか評価されなかったようです。

 なので有名作曲家の遺作を発見したという「てい」で自作を演奏し、評判を得たりしていました。

 まあ、ヴァイオリニストとしてじゅうぶん食べていけたわけですから、リスクヘッジとしては最強ですよね。

 リスクヘッジも取れずにリスクを取る自分などとはえらい違いです(汗)

 まあ、それも人生ですよ(ホンマか?)

 本場中国の方がどう思っているかはともかく、われわれにとり楽しめる名曲ですのでぜひ。

 おすすめ盤は特に指定しませんので、手に取りやすい音源をどうぞ。
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