「クレオパトラの夢」 バド・パウエル

文字数 546文字

<タイトル>

クレオパトラの夢

<収録アルバム>

ザ・シーン・チェンジス

<アーティスト>

バド・パウエル

<解説>

 バド・パウエルはアメリカのジャズ・ピアニストであり、ビバップというスタイルの第一人者に位置づけられています。

 「クレオパトラの夢」は傑作アルバム「ザ・シーン・チェンジス」のオープニングナンバーで、タイトルのとおりエジプトっぽいメロディが特徴です。

 コード進行か何かによって「エジプトっぽい」と感じるのでしょうが、とにかくエキゾティックでキャッチーな音楽ですね。

 センスのよいアドリブがさえわたっていて、これも気分が最高になります。

 バド・パウエルはキャリアの途中でメンタルに不調をかかえており、このアルバムはその回復から最初のものだということです。

 指回りもあやしく、うなり声(うめき声?)も入っているのですが、これはむしろ彼のおそるべき個性であり、まさにアートだという印象があります。

 クラシックでは奏者が先か、音楽が先かという哲学的な命題があるのですが、バド・パウエルを聴いていると、それを思い出してしまいます。

 表現者と言ったほうがしっくり来るというか……

 とにかく鬼気迫る名演ですし、先のとおりアルバム自体がすばらしい作品になっておりますので、一枚とおして鑑賞したいところです。
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