「グノシエンヌ」 サティ

文字数 777文字

<タイトル>

6つのグノシエンヌ

<作曲者>

エリック・サティ

<おすすめ盤>

アルド・チッコリーニ(ピアノ)

エラート(レーベル)

<解説>

 クラッシック業界では「変わり者」の代名詞のように(あつか)われるエリック・サティ、その代表曲の一つです。

 「グノシエンヌ」という奇妙な名前は、古代ギリシャのクレタ島にあった古都クノーシスに由来するだとか、キリスト教グノーシス派に由来するだとか、いくつか説があるようですが、いずれにしてもサティの言葉遊びだったのではないでしょうか。

 サティが「グノシエンヌ」の名前で発表したのは最初の3番までで、あとの3つはサティの死後に発見され、作風などが似ているからという理由で、勝手につけ加えられたそうです。

 サティの有名な容姿(ようし)といえば、黒服にシルクハットに丸メガネ、いかにも奇人といったところです。

 彼はバーやクラブなど、大衆のための施設で演奏するために音楽を作曲し、そのスタイルは「サロン音楽」の先駆(せんく)となりました。

 かつて音楽は貴族ためのBGMでしたが、市民階級が台頭(たいとう)して以来、その考え方は忘れ去られていました。

 サティは音楽をもう一度「BGMに戻した」とも解釈できます。

 いまとなっては当たり前ですが、彼には時代の先を見る目が備わっていたのかもしれません。

 やはりというか、「皮肉」ではありますが――

 CDはサティのピアノ音楽をほぼ録音している名ピアニスト・チッコリーニのものを推薦しておきます。

 ()()まされた演奏に定評のある方です。

 サティ録音のみの廉価(れんか)ボックスが存在しますが、ワーナーへのチッコリーニ録音の全集もありますので、時間と予算のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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