「ピアノ・ソナタ」 バルトーク

文字数 918文字

<タイトル>

ピアノ・ソナタ

<作曲者>

ベラ・バルトーク

<おすすめ音源>

ゾルターン・コチシュ(ピアノ)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/1wkpZYx1Fw5KtVrS4JZ8l6?si=mrYtykMiS5aTmWkHitws8A

<解説>

 あけましておめでとうございます。

 新年一発目の音楽はなぜかバルトークと決めているので、今年も例年に漏れず先生のナンバーを紹介してみます。

 今回は彼が習作時代を除けば唯一残したピアノ・ソナタです。

 隠れ名曲といった印象ですが、バルトークのエッセンスが凝縮された傑作だと思います。

 15分程度の長さですし、彼の残した音楽の中では比較的鑑賞しやすい部類に入るでしょう。

 内容は古典的なソナタ形式ながら、調性音楽と無調音楽のきわどいところを綱渡りしているような所感です。

 しかしながら、聴くほどに面白みがわかってくる、いわゆる「スルメ曲」にも感じます。

 個人的にはストーリー性も持っているような気がして、「昔こんなやつがいたんだけど、さんざんやらかした挙句、こうなりましたとさ」的なイメージがわいていまうのです。

 もちろんそんな事実はないと思いますが、物語を想起させてしまうあたりがまた、音楽の妙味ではないでしょうか。

 バルトークはまた、フランツ・リストの流れをくむ、すぐれたピアニストのひとりでもあります。

 彼がみずから奏でている光景を想像すると、なんだかこみあげてくるものがありますね。

 おすすめに挙げたのは同郷ハンガリー出身のピアニストで、2016年に鬼籍へ入られた名手・コチシュさんの録音です。

 彼はバルトークのピアノ独奏曲全集を残しており(レーベルはデッカ)、このピアノ・ソナタもその中のひとつです。

 蛮性を前面に出しながら、しかしほどよく抑制はきいている感じがなんともたまりません。

 ピアノ音楽のお好きな方であれば、この際まとめて聴いてしまうのも悪くないと思います。

 コチシュさんの録音に限らず、音楽アプリや動画サイトで音源をあさってみてはいかがでしょうか。

 今年もこのプレイリストを鋭意更新していきたく思いますので、よろしければおつきあいください。
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