「交響曲 第5番」 プロコフィエフ

文字数 700文字

<タイトル>

交響曲 第5番 変ロ長調 作品100

<作曲者>

セルゲイ・プロコフィエフ

<おすすめCD>

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

<解説>

 旧ソ連の作曲家プロコフィエフの、全部で7曲ある交響曲の中で、もっとも人気の高い作品です。

 彼はもともと政治には関心を置かない人物だったのですが、ナチス・ドイツ軍のソ連侵攻を受け、作曲家である自分が祖国にできることを模索した結果、生み出されたのがこの5番です。

 作品番号が100の大台にのぼることを、プロコフィエフもかなり意識していたようで、作曲に当たり相当気合を入れたようです。

 初演は1945年1月13日、モスクワ音楽院大ホールにおいて、作曲者自身の指揮、モスクワ国立交響楽団によって演奏され、大成功を収めました。

 同時にこの演奏会の様子は、ソヴィエト全域にわたってラジオ中継され、戦地の最前線にいる人々の心を慰めたのです。

 プロコフィエフ自身の述懐によれば、この交響曲は「苦難の中にあっても、必死でそれと向き合っている高潔な人々の、魂への賛歌である」そうです。

 プロコフィエフは論理ではなく感性で作曲するタイプの人だったようですが、彼特有のコードやコード進行――ふわふわしているが、どこか気持ちの安らぐそれを、随所で聴くことができます。

 おすすめしたのはカラヤン&ベルリン・フィルのスタジオ録音です。

 かつては過激な演奏のCDばかりあさっていましたが、いまでは過不足のない本盤に落ち着いております。

 プロコフィエフの円熟した筆致を楽しめますので、ぜひ。
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