交響曲 第8番 「未完成」 シューベルト

文字数 991文字

<タイトル>

交響曲 第8番(第7番) ロ短調 D.759

<作曲者>

フランツ・シューベルト

<おすすめCD>

クラウディオ・アバド(指揮)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ドイツ・グラモフォン(レーベル)

<解説>

 シューベルトの「未完成」というと、名前は知っているけれど聴いたことはないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 聴けばその世界観に魅了されますし、交響曲なのに全部で二つしか楽章がないので、コスパがいいです(こら!)

 まあ、だから「未完成」と呼ばれているわけですね。

 交響曲はハイドンが形式を確立して以来、基本的に全4楽章ですから。

 これはシューベルトの絶筆だからというわけではなく、彼は書きかけの曲を途中で放棄することが多かったからなのですね。

 ベートーヴェンの影におびえていたからともいわれますし、シューベルトがそもそも極度の気分屋だったからというのも大きいでしょう。

 その性格を裏づけるように、彼の音楽には異常なほど転調が多く、ここから「転調魔」とも呼ばれています。

 しかしそんな作品群が、のちにマーラーへ多大な影響をおよぼしたりもしています。

 マーラー先生もかなりの気分屋でしたので、シンパシーを得るところがあったのでしょう。

 シューベルトの話に戻ると、この「未完成」をはじめ、彼の作品の多くは、その死後、シューマンやメンデルスゾーンなどから発見され、補筆なども受けつつ、現在もその発掘作業は継続されているようです。

 ですので作品番号もころころ変わります。

 「未完成」も少し前に、整理されることで、第8番から第7番になりました。

 ダウングレードというわけではありませんが、ややこしいですよね(汗)

 「未完成」は全2楽章がそれぞれ10分ほどあり、長いといえば長いですが、鑑賞しているととにかく、中期から後期へ入り、オリジナリティを獲得したシューベルトの世界にやられます。

 個人的に冬に合うナンバーなので、寒いときなどにいかがでしょうか。

 おすすめはイタリアの指揮者、クラウディオ・アバドとウィーン・フィルの録音です。

 アバドがもっとも脂の乗っていた時期のものですので、非常によい出来になっております。

 彼はのちにウィーン・フィルと決別しており、録音時代が少なく、これはレア音源です。

 カップリングの第5番もすばらしい名演ですし、Spotifyにもありますのでぜひ。
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