「メアリー女王の葬送音楽」 パーセル

文字数 928文字

<タイトル>

メアリー女王の葬送音楽

<作曲者>

ヘンリー・パーセル

<おすすめCD>

フェリシティ・ロット(ソプラノ)
チャールズ・ブレット(カウンター・テノール)
トーマス・アレン(バリトン)
エクアーレ・ブラス
モンテヴェルディ管弦楽団および合唱団
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
エラート(レーベル)

<解説>

 現在でも「英国史上最高の作曲家」といわれるイギリス・バロック円熟期の大作曲家ヘンリー・パーセルが、当時英国民から絶大な人気を得ていた女王メアリー二世の葬儀(そうぎ)のため、同国ルネサンス期の大作曲家トーマス・モーリーの作品に書き足す形で発表した作品です。

 それがすばらしいと好評を博し、のちにパーセル自身が何度か改訂をおこなっています。

 長い間忘れ去られていましたが、スタンリー・キューブリック監督の映画「時計仕掛けのオレンジ」の冒頭で、最初と最後に演奏される「行進曲」がウォルター・カーロスのアレンジによって使用され、再び知られるようになりました。

 メアリー女王はパーセルのパトロンでしたが、天然痘(てんねんとう)のため、1694年12月、32歳という若さで亡くなっています。

 その翌年の3月、ウェストミンスター寺院での葬儀において、この音楽は演奏されました。

 その年、パーセル自身も36歳という若さで死去しています。

 このとき、「近代音楽の父」ヨハン・セバスティアン・バッハは10歳でした。

 同年11月26日、ウェストミンスター寺院で再びこの音楽が演奏されました。

 ほかならぬ作曲者パーセル自身の葬儀のためです。

 厳粛(げんしゅく)なムードの音楽であるいっぽう、語弊(ごへい)はありますがどこかポップな感じもするので、鑑賞はしやすいと思います。

 式典のために書かれた音楽なので、30程度の長さであり、それも助けになるのではないでしょうか。

 CDは、パーセルの音楽をたくさん録音しているガーディナーのものを推薦しておきます。

 おそらくこれがいちばん入手しやすいと思います。

 興味のある方は「時計仕掛けのオレンジ」のサウンドトラックもあわせてどうぞ。
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