第4話:二人きりの夜(その4)
文字数 1,028文字
ううっ・・・
絶対怒られると思っていたけど、やっぱり怒られたな・・・。
でも自分で蒔いた種だし、もう腹をくくるしかない。
おれは電話を握りしめ、
「涼介、水野君でも、うちの学校の女子でもいいから、電話変わってもらえるか?
おれから、西森と一緒に宿に泊まることになったって、伝えるから」
と申し出ると、涼介は、
「え?いいのか?
何かボロが出ないか怖いんだけど・・・」
と不安がる。
確かにおれも動揺を隠さず伝えられるか不安ではあるが、一応「教師」としての立場もあるので、自分の口から伝えておいた方がいいだろう。
「うん、大丈夫だから替わってくれ」
「分かった」
そう言って、涼介は電話を持って誰かを呼びに行ったようだ。
しばらく待っていると、
「もしもし、先生!?
大丈夫でしたか!?」
と、男の子の声がした。
恐らくこの声は水野君だろう。
「あ、水野君?
心配させてゴメン。
西森もおれも無事だったから安心して」
そう言うと水野君は、
「無事だったんですね。
よかったー!!
いつまでたっても帰ってこないから、みんな心配してたんですよ!
それで今はどこにいるんですか?」
と聞いてきたので、おれはなるべく冷静な声で、
「実は森の中で迷ってしまったんだけど、宿を見つけて、そこで西森と泊まることになったんだ。」
と伝えた。
「え?」
水野君が、ちょっと驚いたような声を出した。
そりゃ驚くよな・・・。
生徒と先生が森で遭難して、見つけた宿で一緒に泊まることになった、って言われたら。
水野君が受話器の向こう側で、黙ったままだったので、
「明日の朝一で別荘に戻るから、みんなに心配しないでくれって、伝えてほしいんだ」
とあわてて言ったものの、やはり二人の間になんとなく気まずい空気が流れているような気がした。
すると水野君が、
「先生ってその・・・」
と何かを言いかけたのだが、すぐに、
「あ、いや、何でもないです。
分かりました。
西森も先生も無事で、明日の朝に帰ってくることをみんなに伝えます」
と言って、電話を切った。
「え・・・」
水野君が何を言いかけたのか分からないけれど、でも、なんとなく、気づいているんじゃないだろうか・・・。
おれが西森のことを「好き」だってことを・・・。
「ツーツーツー」と切れた音の鳴っている電話を見つめながら、そんなことを考えてしまった。
「ああ!もう!
こうなってしまったからには、もう仕方ない!
とりあえず風呂に入ろう!」
すっごいモヤモヤした気持ちを抱えたままではあるが、気を取り直して、おれは風呂に入ることにした。
絶対怒られると思っていたけど、やっぱり怒られたな・・・。
でも自分で蒔いた種だし、もう腹をくくるしかない。
おれは電話を握りしめ、
「涼介、水野君でも、うちの学校の女子でもいいから、電話変わってもらえるか?
おれから、西森と一緒に宿に泊まることになったって、伝えるから」
と申し出ると、涼介は、
「え?いいのか?
何かボロが出ないか怖いんだけど・・・」
と不安がる。
確かにおれも動揺を隠さず伝えられるか不安ではあるが、一応「教師」としての立場もあるので、自分の口から伝えておいた方がいいだろう。
「うん、大丈夫だから替わってくれ」
「分かった」
そう言って、涼介は電話を持って誰かを呼びに行ったようだ。
しばらく待っていると、
「もしもし、先生!?
大丈夫でしたか!?」
と、男の子の声がした。
恐らくこの声は水野君だろう。
「あ、水野君?
心配させてゴメン。
西森もおれも無事だったから安心して」
そう言うと水野君は、
「無事だったんですね。
よかったー!!
いつまでたっても帰ってこないから、みんな心配してたんですよ!
それで今はどこにいるんですか?」
と聞いてきたので、おれはなるべく冷静な声で、
「実は森の中で迷ってしまったんだけど、宿を見つけて、そこで西森と泊まることになったんだ。」
と伝えた。
「え?」
水野君が、ちょっと驚いたような声を出した。
そりゃ驚くよな・・・。
生徒と先生が森で遭難して、見つけた宿で一緒に泊まることになった、って言われたら。
水野君が受話器の向こう側で、黙ったままだったので、
「明日の朝一で別荘に戻るから、みんなに心配しないでくれって、伝えてほしいんだ」
とあわてて言ったものの、やはり二人の間になんとなく気まずい空気が流れているような気がした。
すると水野君が、
「先生ってその・・・」
と何かを言いかけたのだが、すぐに、
「あ、いや、何でもないです。
分かりました。
西森も先生も無事で、明日の朝に帰ってくることをみんなに伝えます」
と言って、電話を切った。
「え・・・」
水野君が何を言いかけたのか分からないけれど、でも、なんとなく、気づいているんじゃないだろうか・・・。
おれが西森のことを「好き」だってことを・・・。
「ツーツーツー」と切れた音の鳴っている電話を見つめながら、そんなことを考えてしまった。
「ああ!もう!
こうなってしまったからには、もう仕方ない!
とりあえず風呂に入ろう!」
すっごいモヤモヤした気持ちを抱えたままではあるが、気を取り直して、おれは風呂に入ることにした。