第17話:教育実習生にメラメラ(その17)

文字数 786文字

走って公園に向かう。

すると公園の横にライトの点いた車が一台止まっている。

きっと、あれが先生の車だ!

急いで向かおうとした瞬間、突然公園から口論しているカップルが飛び出してきた。

「!?」

思わず足を止める。

カップルは私に気づくことなく、
「もう、イヤ!
なんで、他の女の子と食事に行ったのよ!」
「違うって!
あの子は、ただの友達だし、2人で食事に行ったわけでもないし!」
と、口論を続けている。

ど、どうしよう・・・。

先生のところに行きたいけど、この2人が邪魔で、前に進めない・・。

とりあえず避けるけど、こんな夜中に、しかも外で派手なけんかをするなんて、恥ずかしくないのかな・・・・。

と、思っていた時、電灯の明かりで女の人の顔が見えた。

「もう、1人で帰るからほっといて!」

その顔をよく見ると・・・

ええっ!?
まさかの中原先生!?

驚きの余り、しばらくポカンとしていたけど、私はあわてて公園の茂みに姿を隠した。

隠れなくてもよかったのかもしれないけれど、ケンカの現場を目撃してしまった気まずさと、すぐそこに先生が乗った車が止まっていて、その近くに私がいることを不自然に思われたら困るからだ。

「早く、中原先生がどこかに去ってくれますように・・・」

ドキドキしながら茂みの中で息をひそめて待っていると、中原先生の彼氏さんと思われる人が、
「分かったよ!もう勝手にしろ!」
と言って、大通りの方に向かって歩いて行くのが見えた。

え?
彼女をこんな夜道に放っておいたまま帰るの?

恋愛のことは、あまり詳しく知らないけれど、たとえケンカしていたとしても放置して帰るのはどうかと思う・・・。

「中原先生は一体、どうするんだろう・・・」

ちょっと不安になって、茂みから少しだけ顔を出して様子を伺ってみた。

すると・・・

「えっ!?高山先生じゃないですか!?」

「あれ?中原先生?」

ど、どうしよう!?
中原先生が先生に気づいちゃった!?
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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