第7話:二人の夏休み(その12)
文字数 1,067文字
「いやいや!
なんで涼介が、おれと西森の間に入って来るんだよ!
意味が分からん!」
おれがそう叫ぶと、涼介は、
「あのなー、流星。
おまえが気を付けていたとしても、万が一、西森ちゃんと二人きりでいるところを誰かに発見されたら、どうするんだよ。
その時、何て答えるんだよ。」
と言ってきたので、おれは思わず返事につまる。
「そ・・・それは・・・」
確かに、勉強合宿に来ている生徒達の中には、うちの学校の生徒もいるだろうし、絶対見つからない、なんて保証はない。
もし誰かに見られたら、おれよりも西森の方が責任を感じてしまうかもしれない・・・。
最悪のシナリオを頭の中で考えていると、涼介が、
「だから、おれが二人の間に入ってやることで、三人になるだろ?
おっさん二人と女子高生一人の組み合わせは、ちょっと怪しいかもしれないけど、それでも二人きりじゃないから、セーフだと思う。」
と、ナゾの主張をしてきた。
いやいや、おっさん二人と女子高生一人の組み合わせも十分怪しいぞ!
というか、25歳のおれも「おっさん」の仲間に入るのか!?
一瞬、自分が「おっさん」なのかどうなのか、気になってしまったが、今はそんなことを考えている場合ではない。
涼介も加えた3人で星を見るかどうか、だ。
確かに涼介の言う通り、二人きりよりは三人の方が、まだ言い訳ができるような気がする。
大学時代の友人の家に遊びに来て散歩していたら、たまたま西森と会った、とかなんとか。
しかし・・・
西森と二人きりで星を見たい。
それがおれの正直な気持ちだ。
でも、おれのワガママで2人の関係がバレてしまって、西森に迷惑をかけることになったら・・・。
そう思うと、自然と答えは出た。
「分かった、涼介。
一緒にいてくれ。
二人きりでデートしたかったけど、そこはガマンして、安全をとる。」
おれの答えを聞いた涼介は、
「了解。
流星にとっては、苦渋の決断だったと思うけど、邪魔しない程度の距離は保つから任せてくれ」
と、うれしそうに言った。
ということで、涼介と当日の簡単な計画を立てて、電話を切った。
立ち上がり、カーテンを少し開けて窓から星を眺める。
「西森と、良い夏休みの思い出ができるいいな・・・」
と同時に、西森が電話で話をしていた「水野君」のことを、なぜか思い出してしまった。
学校では、男子と会話をすることがほとんどない西森が唯一仲良さそうに話をしていた他校の水野君。
西森と勉強で張り合うほどなのだから、頭はめちゃくちゃ良いのだろう。
これで、イケメンだったら、おれ勝ち目無いじゃん!
「水野君か・・・。
いったい、どんなヤツなんだろう・・・。」
なんで涼介が、おれと西森の間に入って来るんだよ!
意味が分からん!」
おれがそう叫ぶと、涼介は、
「あのなー、流星。
おまえが気を付けていたとしても、万が一、西森ちゃんと二人きりでいるところを誰かに発見されたら、どうするんだよ。
その時、何て答えるんだよ。」
と言ってきたので、おれは思わず返事につまる。
「そ・・・それは・・・」
確かに、勉強合宿に来ている生徒達の中には、うちの学校の生徒もいるだろうし、絶対見つからない、なんて保証はない。
もし誰かに見られたら、おれよりも西森の方が責任を感じてしまうかもしれない・・・。
最悪のシナリオを頭の中で考えていると、涼介が、
「だから、おれが二人の間に入ってやることで、三人になるだろ?
おっさん二人と女子高生一人の組み合わせは、ちょっと怪しいかもしれないけど、それでも二人きりじゃないから、セーフだと思う。」
と、ナゾの主張をしてきた。
いやいや、おっさん二人と女子高生一人の組み合わせも十分怪しいぞ!
というか、25歳のおれも「おっさん」の仲間に入るのか!?
一瞬、自分が「おっさん」なのかどうなのか、気になってしまったが、今はそんなことを考えている場合ではない。
涼介も加えた3人で星を見るかどうか、だ。
確かに涼介の言う通り、二人きりよりは三人の方が、まだ言い訳ができるような気がする。
大学時代の友人の家に遊びに来て散歩していたら、たまたま西森と会った、とかなんとか。
しかし・・・
西森と二人きりで星を見たい。
それがおれの正直な気持ちだ。
でも、おれのワガママで2人の関係がバレてしまって、西森に迷惑をかけることになったら・・・。
そう思うと、自然と答えは出た。
「分かった、涼介。
一緒にいてくれ。
二人きりでデートしたかったけど、そこはガマンして、安全をとる。」
おれの答えを聞いた涼介は、
「了解。
流星にとっては、苦渋の決断だったと思うけど、邪魔しない程度の距離は保つから任せてくれ」
と、うれしそうに言った。
ということで、涼介と当日の簡単な計画を立てて、電話を切った。
立ち上がり、カーテンを少し開けて窓から星を眺める。
「西森と、良い夏休みの思い出ができるいいな・・・」
と同時に、西森が電話で話をしていた「水野君」のことを、なぜか思い出してしまった。
学校では、男子と会話をすることがほとんどない西森が唯一仲良さそうに話をしていた他校の水野君。
西森と勉強で張り合うほどなのだから、頭はめちゃくちゃ良いのだろう。
これで、イケメンだったら、おれ勝ち目無いじゃん!
「水野君か・・・。
いったい、どんなヤツなんだろう・・・。」