第5話:トキメキ文化祭
文字数 1,029文字
職員室に戻り、鍵を手に取ると、急いで実験室へ向かった。
『なんで西森は、実験室を提案してきたんだろう?』
とか、
『久しぶりに西森と話ができるのが、うれしすぎる!』
とか、いろんなことが頭の中をグルグル回る。
おれは階段を登り、実験室のある3階を目指した。
3階は理科関係の特別教室が並んでいるため、放課後はほとんど人がいないのだが、一番奥の教室は確か「生物部」が使っていたので、念のため気を付けなくては。
階段を登りきると、実験室の前には西森が立っていた。
「先生、すいません。
鍵を取りに行ってもらって」
階段を登った後なので、少し息切れしながらも笑顔で、
「いや、大丈夫。
今、開けるから」
と言って、実験室の鍵を開けた。
実験室の廊下側の窓は「すりガラス」で不透明なので、外からは中が見えない。
中に入る前に辺りに人がいないことを確認し、ドアをピシャッと閉めた。
「!?」
ドアを閉められたことに、西森がビックリして振り返る。
「な、なんでドアを閉めるんですか!?」
西森がそう聞くので、
「え?
だって、西森がおれと二人きりになりたくて、実験室に呼びだしたんじゃないのか?」
と答えると、西森はブンブンと横に激しく首を振り、
「違います!
実験室に忘れ物した、って言ったじゃないですか!」
と言うので、おれは驚き、
「今日、授業で実験なんてしてないじゃないか!
だから、実験室で忘れ物なんてありえないと思ったから、これは西森からの 『二人きりになりたい』という『お誘い』だと、思ってたんだけど・・・」
と言うと、西森は、
「ちっ、違います!
掃除の時間中に落としたんです!」
と、ちょっと怒りながら答えた。
「掃除!?」
しまった~っ!
「掃除」のこと、すっかり忘れていた!!
てっきり西森からの「お誘い」だったと思っていたのに、そうじゃなかったなんて・・・。
単なる自分の勘違いだったことに気づき、
「ごめん・・・
西森と久しぶりに会えたから、すっかり舞い上がってたみたいで・・・」
と謝り、密室を回避すべく、ドアを再び開けようとした時、
「あっ、待ってください。」
と西森が急におれの腕を引っ張った。
「え?」
西森がしゃがむように指示したので、しゃがんで実験台に姿を隠すように二人身を寄せる。
自然と二人の手が触れ、久しぶりにお互いの温もりを確かめるようにギュッと手を握った。
西森は真っ赤に頬を染め、
「ペンを掃除中に失くしたのは、事実です。
でも、それを利用して、先生と久しぶりに二人でしゃべりたかったのも事実です・・・」
と言った。
『なんで西森は、実験室を提案してきたんだろう?』
とか、
『久しぶりに西森と話ができるのが、うれしすぎる!』
とか、いろんなことが頭の中をグルグル回る。
おれは階段を登り、実験室のある3階を目指した。
3階は理科関係の特別教室が並んでいるため、放課後はほとんど人がいないのだが、一番奥の教室は確か「生物部」が使っていたので、念のため気を付けなくては。
階段を登りきると、実験室の前には西森が立っていた。
「先生、すいません。
鍵を取りに行ってもらって」
階段を登った後なので、少し息切れしながらも笑顔で、
「いや、大丈夫。
今、開けるから」
と言って、実験室の鍵を開けた。
実験室の廊下側の窓は「すりガラス」で不透明なので、外からは中が見えない。
中に入る前に辺りに人がいないことを確認し、ドアをピシャッと閉めた。
「!?」
ドアを閉められたことに、西森がビックリして振り返る。
「な、なんでドアを閉めるんですか!?」
西森がそう聞くので、
「え?
だって、西森がおれと二人きりになりたくて、実験室に呼びだしたんじゃないのか?」
と答えると、西森はブンブンと横に激しく首を振り、
「違います!
実験室に忘れ物した、って言ったじゃないですか!」
と言うので、おれは驚き、
「今日、授業で実験なんてしてないじゃないか!
だから、実験室で忘れ物なんてありえないと思ったから、これは西森からの 『二人きりになりたい』という『お誘い』だと、思ってたんだけど・・・」
と言うと、西森は、
「ちっ、違います!
掃除の時間中に落としたんです!」
と、ちょっと怒りながら答えた。
「掃除!?」
しまった~っ!
「掃除」のこと、すっかり忘れていた!!
てっきり西森からの「お誘い」だったと思っていたのに、そうじゃなかったなんて・・・。
単なる自分の勘違いだったことに気づき、
「ごめん・・・
西森と久しぶりに会えたから、すっかり舞い上がってたみたいで・・・」
と謝り、密室を回避すべく、ドアを再び開けようとした時、
「あっ、待ってください。」
と西森が急におれの腕を引っ張った。
「え?」
西森がしゃがむように指示したので、しゃがんで実験台に姿を隠すように二人身を寄せる。
自然と二人の手が触れ、久しぶりにお互いの温もりを確かめるようにギュッと手を握った。
西森は真っ赤に頬を染め、
「ペンを掃除中に失くしたのは、事実です。
でも、それを利用して、先生と久しぶりに二人でしゃべりたかったのも事実です・・・」
と言った。