第7話:二人の夏休み(その7)
文字数 846文字
「お母さんからかな?」
西森があわててカバンから携帯を取り出す。
『お母さん』という言葉を聞いて、おれは思わずビクッとして、一緒にいることがバレないように口をふさぎ、気配を消そうと努力した。
やはり一番最初に会った時に、平手打ちされた思い出が強く残っているからだ。
「もしもし、あ、水野?」
『水野?』
聞き慣れない名前だ。
とりあえず、電話の相手は『お母さん』ではないことが分かり、ホッとしたが『水野』が誰なのか気になる。
「8月5日の件でしょ?
うん、とりあえずは参加でお願いする。
勉強にもなりそうだし、水野に負けたくないし」
8月5日の件?
とりあえず参加?
水野に負けたくない?
おれの知らない誰かと西森が仲良さそうに話しているのが、めっちゃ気になる。
水野が女の子だったら、全然かまわないけれど、男子だったら・・・
そんなことをモヤモヤ考えていると、
「じゃあ、また塾で」
と言って、西森は電話を切った。
「ツーツーツー」と電話を切った音が部屋の中に響く。
おれは恐る恐る、
「え?今の『水野』ってお友達?
8月にどこか行くの?」
と聞いてみると、
「塾で一緒のクラスの水野っていう男子です」
と西森が答えた。
男子!?
え!?どういうこと!?
おれ以外に、西森と仲良くしている男子がいたわけ!?
あまりの衝撃にパニックになっていると、
「私立の永青学園に通っている子なんですけど、模試のたびに私と成績を張り合っているので、ある意味『ライバル』なんです」
と西森がさらっと説明してくれたが、おれの心の中はそれどころでは無い!
西森と張り合うなんて、めちゃくちゃ頭の良い男子じゃん!!
なんで『水野君』のこと、おれに話してくれなかったの!?
まだまだ混乱しているおれをよそに、西森は、
「その水野が、8月5日に勉強合宿を別荘で開くから、塾のクラスの数名で行く予定なんです」
と、さらに衝撃発言をしたので、
「勉強合宿!?別荘!?なにそれ!?」
と叫んでしまった。
うそだろ・・・。
おれとはデートに行ってくれないけど、水野とはお泊りで別荘に出かけるんだな・・・。
西森があわててカバンから携帯を取り出す。
『お母さん』という言葉を聞いて、おれは思わずビクッとして、一緒にいることがバレないように口をふさぎ、気配を消そうと努力した。
やはり一番最初に会った時に、平手打ちされた思い出が強く残っているからだ。
「もしもし、あ、水野?」
『水野?』
聞き慣れない名前だ。
とりあえず、電話の相手は『お母さん』ではないことが分かり、ホッとしたが『水野』が誰なのか気になる。
「8月5日の件でしょ?
うん、とりあえずは参加でお願いする。
勉強にもなりそうだし、水野に負けたくないし」
8月5日の件?
とりあえず参加?
水野に負けたくない?
おれの知らない誰かと西森が仲良さそうに話しているのが、めっちゃ気になる。
水野が女の子だったら、全然かまわないけれど、男子だったら・・・
そんなことをモヤモヤ考えていると、
「じゃあ、また塾で」
と言って、西森は電話を切った。
「ツーツーツー」と電話を切った音が部屋の中に響く。
おれは恐る恐る、
「え?今の『水野』ってお友達?
8月にどこか行くの?」
と聞いてみると、
「塾で一緒のクラスの水野っていう男子です」
と西森が答えた。
男子!?
え!?どういうこと!?
おれ以外に、西森と仲良くしている男子がいたわけ!?
あまりの衝撃にパニックになっていると、
「私立の永青学園に通っている子なんですけど、模試のたびに私と成績を張り合っているので、ある意味『ライバル』なんです」
と西森がさらっと説明してくれたが、おれの心の中はそれどころでは無い!
西森と張り合うなんて、めちゃくちゃ頭の良い男子じゃん!!
なんで『水野君』のこと、おれに話してくれなかったの!?
まだまだ混乱しているおれをよそに、西森は、
「その水野が、8月5日に勉強合宿を別荘で開くから、塾のクラスの数名で行く予定なんです」
と、さらに衝撃発言をしたので、
「勉強合宿!?別荘!?なにそれ!?」
と叫んでしまった。
うそだろ・・・。
おれとはデートに行ってくれないけど、水野とはお泊りで別荘に出かけるんだな・・・。