第7話:二人の夏休み(その14)
文字数 942文字
蝉の鳴き声が道路サイドの木々から響いて聞こえる。
涼介の案内通り、山をちょっと登ったところに、白い建物のおしゃれなカフェが見えてきた。
山の中だというのに、駐車場には割と車がたくさん止まっていて、少し驚く。
車を降り、カフェの外観を見ながら、
「へー、こんな山奥におしゃれなカフェがあるなんて知らなかった」
と、つぶやくと、涼介が、
「前はペンションだったみたいだけど、廃業して、新しいオーナーがカフェに改装したんだって。
雑誌にも取り上げられて、遠方からもお客さんが来るらしいぞ」
と答えた。
「なるほど」と納得し、カフェの中に入る。
店員さんに案内され、窓際の席に着こうとした瞬間、
「あ!高山ちゃんじゃん!」
と若い女の子の声が聞こえてきた。
「え?誰!?」
驚いて振り返ると、少し離れたテーブル席に10人ぐらいの高校生の集団がいて、こっちを見ているではないか。
声をかけてきた女子は、よく見るとうちの高校の生徒で、
「なんで、こんなところにいるの?」
と聞いてきた。
「そっちこそなんで、こんなところに・・・」
と言いかけた瞬間、その集団の中に西森がいることに気づいた。
まさか、この集団、西森の合宿仲間なのか!?
予想外の展開に驚いて、あわあわしていると、
「高山ちゃん、そんなに驚いたの?」
と、うちの高校の女子に言われ、ハッと我に返る。
こんなところで動揺を見せるわけにいかない。
「会うなんて思ってなかったから、ちょっと驚いただけ。
おれは友達の家に泊まりに来たけど、お前達は何しにここに来たんだ?」
合宿に来ている理由は知っているが、それは西森との秘密のことなので、全く知らないフリをしてみる。
するとテーブルの奥に座っていた見知らぬ男子が、
「木下、その人誰?」
と声をかけてきた。
(ちなみに木下は、おれに声をかけてきた女子である)
「あ、水野、この人はうちの学校の先生だよ」
「水野」という名前を聞いて、おれは思わず、
「え!?水野君!?」
と叫んでしまった。
突然、おれが大きな声を出したものだから、涼介も学生達も皆ビックリして、こっちを見ている。
しまった!!
おれはアホか!?
西森との秘密を守らねばならないのに、自ら、こんなアホな行動を取ってしまうなんて!!
ほら、見ろ。
西森がものすごくあきれた顔でこっちを見ているじゃないか・・・
涼介の案内通り、山をちょっと登ったところに、白い建物のおしゃれなカフェが見えてきた。
山の中だというのに、駐車場には割と車がたくさん止まっていて、少し驚く。
車を降り、カフェの外観を見ながら、
「へー、こんな山奥におしゃれなカフェがあるなんて知らなかった」
と、つぶやくと、涼介が、
「前はペンションだったみたいだけど、廃業して、新しいオーナーがカフェに改装したんだって。
雑誌にも取り上げられて、遠方からもお客さんが来るらしいぞ」
と答えた。
「なるほど」と納得し、カフェの中に入る。
店員さんに案内され、窓際の席に着こうとした瞬間、
「あ!高山ちゃんじゃん!」
と若い女の子の声が聞こえてきた。
「え?誰!?」
驚いて振り返ると、少し離れたテーブル席に10人ぐらいの高校生の集団がいて、こっちを見ているではないか。
声をかけてきた女子は、よく見るとうちの高校の生徒で、
「なんで、こんなところにいるの?」
と聞いてきた。
「そっちこそなんで、こんなところに・・・」
と言いかけた瞬間、その集団の中に西森がいることに気づいた。
まさか、この集団、西森の合宿仲間なのか!?
予想外の展開に驚いて、あわあわしていると、
「高山ちゃん、そんなに驚いたの?」
と、うちの高校の女子に言われ、ハッと我に返る。
こんなところで動揺を見せるわけにいかない。
「会うなんて思ってなかったから、ちょっと驚いただけ。
おれは友達の家に泊まりに来たけど、お前達は何しにここに来たんだ?」
合宿に来ている理由は知っているが、それは西森との秘密のことなので、全く知らないフリをしてみる。
するとテーブルの奥に座っていた見知らぬ男子が、
「木下、その人誰?」
と声をかけてきた。
(ちなみに木下は、おれに声をかけてきた女子である)
「あ、水野、この人はうちの学校の先生だよ」
「水野」という名前を聞いて、おれは思わず、
「え!?水野君!?」
と叫んでしまった。
突然、おれが大きな声を出したものだから、涼介も学生達も皆ビックリして、こっちを見ている。
しまった!!
おれはアホか!?
西森との秘密を守らねばならないのに、自ら、こんなアホな行動を取ってしまうなんて!!
ほら、見ろ。
西森がものすごくあきれた顔でこっちを見ているじゃないか・・・