第18話:二人きりの夜(その18)
文字数 544文字
本当に夢ではないのだろうか?
雨の日に森で遭難して、旅館で西森と泊まることになっただけでも、夢のような話だったのに、さらに西森から「気になる人」は「おれ」だと言われるなんて・・・。
「西森・・・いや、夏菜・・・」
おれは西森のことを名字で呼ぶのをやめて、名前で呼んだ。
夏菜は顔を上げ、
「え・・・名前・・・」
と言ったので、おれはうなずき、
「だって『彼女』のことを名字で呼んだら不自然だろ?
今は下の名前で呼ばせて。」
と言って、再びギュッと強く抱きしめた。
夏菜もおれの背中に腕を回し、ギュッと抱きついてきた。
「『彼女』になっていいんですか?」
「だって『好き』って言ってくれたじゃん」
「『好き』とは言ってません。
『気になる人』って言っただけです」
夏菜がちょっと意地悪っぽく言ったので、
「じゃあ『好き』って言って?」
と意地悪っぽく返してみた。
「なっ・・・」
するとやっぱりおれの意地悪に怒ったのか、抱きついていた体をグイッと離し、
「好きかどうかまだ分かりません!
でも、好きか嫌いか言われたら、たぶん好きなんだと思います!
99%ぐらいは好きなんだと思います!」
と真っ赤な顔で反論してきた。
瞳を見つめる。
ますます夏菜の顔は赤くなっていく。
おれは腕を伸ばし、再び強く引き寄せた。
「それはもう『好き』ってことだよ」
雨の日に森で遭難して、旅館で西森と泊まることになっただけでも、夢のような話だったのに、さらに西森から「気になる人」は「おれ」だと言われるなんて・・・。
「西森・・・いや、夏菜・・・」
おれは西森のことを名字で呼ぶのをやめて、名前で呼んだ。
夏菜は顔を上げ、
「え・・・名前・・・」
と言ったので、おれはうなずき、
「だって『彼女』のことを名字で呼んだら不自然だろ?
今は下の名前で呼ばせて。」
と言って、再びギュッと強く抱きしめた。
夏菜もおれの背中に腕を回し、ギュッと抱きついてきた。
「『彼女』になっていいんですか?」
「だって『好き』って言ってくれたじゃん」
「『好き』とは言ってません。
『気になる人』って言っただけです」
夏菜がちょっと意地悪っぽく言ったので、
「じゃあ『好き』って言って?」
と意地悪っぽく返してみた。
「なっ・・・」
するとやっぱりおれの意地悪に怒ったのか、抱きついていた体をグイッと離し、
「好きかどうかまだ分かりません!
でも、好きか嫌いか言われたら、たぶん好きなんだと思います!
99%ぐらいは好きなんだと思います!」
と真っ赤な顔で反論してきた。
瞳を見つめる。
ますます夏菜の顔は赤くなっていく。
おれは腕を伸ばし、再び強く引き寄せた。
「それはもう『好き』ってことだよ」