第9話:トキメキ文化祭 

文字数 521文字

すると西森も「ハッ」としたのか、
「あっ!?
違います、違います!
深い意味は無くて、ただ単に、本当に片付いているのかどうか気になっただけで、先生の家に行きたい、とかそんなんじゃないですから!」
とあわてて否定する。

そうだよな・・・。

おれと西森が『教師×生徒』という関係で無ければ、彼氏の部屋に彼女が遊びに来ることは何の問題も無いけれど、今の立場では、そうもいかないからな・・・。

でも・・・

おれは、真っ赤になってうつむいている西森に、
「いいよ、いつでもおいで。
待ってるから」
と言った。

「え?」

西森が驚いて顔を上げる。

おれが愛おしそうにその顔を見つめ、西森もおれの顔を見つめていた時、
「あ~、疲れた」
と声がした瞬間、山根先生がドアを開け中に入って来た。

「!?」

別に西森と抱き合っていたわけでもないのに、めちゃくちゃビックリして振り返ってしまったので、山根先生は目をパチクリしながらこちらを見ている。

思わず、
「お、お、お帰りなさい・・・」
と言ってしまった。

オロオロしているおれの様子を見た山根先生は、ソッとドアを閉めながら、
「失礼しました・・・」
と言って出ていこうとしたので、
「ちょっ、ちょっと!!
山根先生、待ってくださいよ!!」
と、あわてて追いかけた。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み