第4話:トキメキ文化祭 

文字数 474文字

「文化祭の打ち合わせに来てくれたんだな。
じゃ、とりあえず職員室に戻ろうか」

本当は職員室では無く、どこか人気の無い教室で2人きりで打ち合わせをしたかったが、恋人になったから「急に」というのも、少し強引なような気がしたので、無難な職員室を選んだわけである。

二人きりになれなくても、直接話ができるだけでもうれしいから、これで十分だ。

おれと西森は並んで歩き始める。

すると西森が、
「あ、先生、お願いがあるんですけど」
と言ったので、
「ん?何?」
と聞くと、
「その・・・理科の実験室にシャーペンを忘れたみたいなんです。
なので、鍵を開けて中に探しに行っていいですか?」
と言った。

「あ、そうなの?
じゃあ分かった。
鍵を持ってくるから、先に実験室に行ってて」

そう言って、おれは実験室の鍵を取りに職員室に走った。

ん?

でも、よく考えてみると、西森、今日の授業で理科の実験室に行く予定なんかあったっけ?

というか、今日、理科の実験室を使ったクラスは、無かったような気がするけど・・・。

「えっ、まさか!?」

つまり、これは『実験室』で2人きりになりたい、というお誘いなのではないか!?
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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