第13話:トキメキ文化祭 

文字数 602文字

思わず西森に助けを求めるように、
「い、委員長はどう思う?」
と聞いてしまった。

急に話を振られた西森は、
「え?」
と驚いた顔をしたが、少し『うーん』と悩むと、
「いいんじゃないですか。
先生が文化祭に参加しても。
先生の参加を禁止している校則も無いですし」
と冷静な答えを返してくれた。

その言葉を聞いた他の生徒達は、
「ほら、委員長からもOKが出たわけだし、高山ちゃんの『執事』参加決定!」
と言って、教室内からパチパチと拍手が起こる。

「ハハハハ・・・」

苦笑いを浮かべながら、心の中で、
「はああ・・・、担任の吉川先生、何て言うかな・・・。
おれだけ執事で、吉川先生が誘われてないって知ったら、怒るかな・・・」
と不安を感じ、ため息をついた。

******

その日の夜、おれは西森に、
『電話をかけたいので、もし都合がよろしければ連絡下さい』
とメールを送った。

付き合い出してからも、依然としてメールの言葉に敬語を使ってしまうおれ。

恋人同士になったとはいえ、おれと西森の『相手を好きと思う気持ちの割合』を円グラフにしてみたら、きっとおれが90%で、西森が10%ぐらいだと思うので、どうしても立場上弱い。

電話を見つめながら、
「西森、ヒマかな・・・」
とつぶやいていたら『ピピピ!』とメールの着信が届く。

あわててメールを見てみると、西森からだ!

「今、塾が終わったので少しなら電話できます」

そのメール文を見て、おれは急いで電話のボタンを押した。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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