第10話:二人きりの夜(その10)
文字数 811文字
「えっ、止めるってなんで?」
水野君からの告白を止めてくれたらよかった、みたいなことを言われたので、疑問に思って問い返すと、
「当たり前じゃないですか!
そ、そのっ、一応先生とは「つき合っている」っていう設定なんですから、彼女が他の男の子から告白されそうになったら、止めてくれるんじゃないですか!?」
と西森が言ったため、
「ええっ!?
止めてほしかったのか!?
いや、だって、その、西森が水野君のことを好きになるかもしれないから、止めない方がいいのかと思って、その・・・」
と答えると、西森は「はああああ・・・・」と大きなため息をついた。
そして、ソファーからスクッと立ち上がると、
「もういいです。
先生は、別に私のことなんか好きじゃないみたいですから、もう寝ます」
と言って、ベッドの部屋の方に行こうとしたので、おれはあわてて、
「ま、待って!?
え!?なんで怒ってるんだ!?」
と西森の手をつかんだ。
が、そのつかんだ力が強すぎたのか、西森はグイッとおれの方に引き寄せられ、そのまま二人でソファーにドサッと倒れ込んでしまった。
お風呂から上がったばかりなので、西森の髪の毛からシャンプーの良い香りが漂い、理性を狂わされたのか、思わずギュッと抱きしめてしまう。
二人浴衣姿で、このままソファーに押し倒してしまいそうな雰囲気になったが・・・
西森が、
「放してください!
先生なんか嫌いです!!」
と叫んだ。
嫌い!?
そのワードに凍り付いてしまったおれは、すぐさま西森の体を離し、床の上に正座し、深々と頭を下げた。
「ごめんなさい!
嫌いになるのだけは勘弁してください!」
あ~っ、やってしまった!!
「何もしない」という約束だったのに、即約束を破り、さらには西森を激怒させるなんて、最低最悪だーっ!!
ここはひたすら謝るしかない、と思い、ずっと土下座をし続けていると、西森が重い口を開いた。
「もう一度聞きますけど、先生はなんで水野からの告白を止めてくれなかったんですか?」
水野君からの告白を止めてくれたらよかった、みたいなことを言われたので、疑問に思って問い返すと、
「当たり前じゃないですか!
そ、そのっ、一応先生とは「つき合っている」っていう設定なんですから、彼女が他の男の子から告白されそうになったら、止めてくれるんじゃないですか!?」
と西森が言ったため、
「ええっ!?
止めてほしかったのか!?
いや、だって、その、西森が水野君のことを好きになるかもしれないから、止めない方がいいのかと思って、その・・・」
と答えると、西森は「はああああ・・・・」と大きなため息をついた。
そして、ソファーからスクッと立ち上がると、
「もういいです。
先生は、別に私のことなんか好きじゃないみたいですから、もう寝ます」
と言って、ベッドの部屋の方に行こうとしたので、おれはあわてて、
「ま、待って!?
え!?なんで怒ってるんだ!?」
と西森の手をつかんだ。
が、そのつかんだ力が強すぎたのか、西森はグイッとおれの方に引き寄せられ、そのまま二人でソファーにドサッと倒れ込んでしまった。
お風呂から上がったばかりなので、西森の髪の毛からシャンプーの良い香りが漂い、理性を狂わされたのか、思わずギュッと抱きしめてしまう。
二人浴衣姿で、このままソファーに押し倒してしまいそうな雰囲気になったが・・・
西森が、
「放してください!
先生なんか嫌いです!!」
と叫んだ。
嫌い!?
そのワードに凍り付いてしまったおれは、すぐさま西森の体を離し、床の上に正座し、深々と頭を下げた。
「ごめんなさい!
嫌いになるのだけは勘弁してください!」
あ~っ、やってしまった!!
「何もしない」という約束だったのに、即約束を破り、さらには西森を激怒させるなんて、最低最悪だーっ!!
ここはひたすら謝るしかない、と思い、ずっと土下座をし続けていると、西森が重い口を開いた。
「もう一度聞きますけど、先生はなんで水野からの告白を止めてくれなかったんですか?」