第8話:先生のお誕生日(その4)

文字数 878文字

な・・・何をビックリしてノド詰まらせてるのよ・・・。

いや、そりゃビックリするよ!
同じ年のクラスメイトの女の子が、彼氏が出来て、即キスしているなんて!!

というか、それが当たり前なの?
キスって、そんなにすぐにするものなの?

何が何やら、分からない・・・。


頭の中がプチパニックを起こしていたけれど、女子達は構わず話を進めている。

「え~!本当に!?
というか、早くない?
付き合って3日目でキスなんて、スゴイね!」

「しかも、公園で堂々となんて、お互い好き過ぎて、もう完全に周り見えてないじゃん!」

恋愛事情に疎い私は、思わず、
「え・・・
高校生なのに、キスしていいの?」
と訳の分からない質問をしてしまった。

何となく『キスは大人になってから』というイメージがあったから。

すると同級生達は笑って、
「もちろん、いいに決まってるじゃない!
高校生も大人も関係ないよ。」
「好きだったら、キスするのは当たり前だし、私も彼氏と付き合ってから1か月ぐらいでキスしたよ」
「そうそう、特に彼氏の方が特にキスしたいみたいだから、グイグイやってきて、大変だもん」
と、衝撃的な回答をくれたので、私の頭の中は『パーン!!』と弾けてしまった。


ええっ!?
キスって、付き合ったらすぐにするものなの!?

しかも、彼氏の方からグイグイくるものなの!?

というか、先生は全くそんなそぶりを見せてこないんだけど・・・。

一人モヤモヤしていると、急に隣にいた女子が、
「あ!高山ちゃん!
どうしたの?
何か忘れ物?」
と、大きな声を出した。

ビックリして顔を上げると、先生が教室に入って来ていた。

なっ、どっ、どうして!?
昼休み中に、教室に来ることなんてめったに無いのに!?

キスのことを考えていた最中だったので、先生を見た瞬間、カーッと頬が赤くなってしまった。

どうしよう!
変に思われちゃう!!

あわてて顔を伏せると、先生がこちらに向かって歩きながら、
「あ、うん、忘れ物。
ペンをどこかに忘れたみたいで探しに来たんだけど」
と言うと、1人の女子が、
「あ、そうだ。
ちょっと質問に答えてよ。
高山ちゃんは、彼女が出来たらすぐキスするタイプ?」
と聞いた。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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