第7話:トキメキ文化祭 

文字数 515文字

「文化祭、西森は何がしたい?」

歩きながら、文化祭の話題を西森に振る。

西森は、
「文化祭とか、あまり興味無くて。
去年もほとんど参加しないで、図書室で勉強してましたし」
とドライな回答を返してきた。

そ・・・そうだよな・・・。

西森の性格からすると、文化祭とか学校行事に関しては全く興味無さそうな感じだ。

でも、今年は去年とは違う。

階段を降りる際に、周りに誰もいないことを確認して、
「今年は、文化祭に『彼氏』と一緒に過ごす時間を作って欲しいな」
とボソッと、耳にささやきかけると、西森は急にボッと頬を染めて、
「なっ!?
何言ってるんですか!?
文化祭なんて、たくさん人がいるんですよ!
うちの学校以外からの一般のお客さんもたくさん来るし!」
と動揺している。

その姿がかわいくて、幸せで緩みっぱなしの顔で見つめていると、西森はキッとにらんで、
「それに、水野も来るって言ってましたし」
と言った。

「え?
水野って・・・
ええっ!?
水野君って、あの夏の合宿で一緒だった『水野君』!?」

おれがあわてて問いただすと、西森はコクリとうなずき、

「ハイ、あの水野です。
なんか先生にまた会いたいそうですよ」
と言った。

会いたい!?

いやいやいや!

おれは会いたくないんですけどーっ!!
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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