第2話:教育実習生にメラメラ(その2)

文字数 1,129文字

「高山ちゃんって、意外となびかないんだよね~」

昼食の時間、クラスの女子が机を合わせてお弁当を食べている中にまぎれていると、誰かが先生の話をし始めた。

「それ、分かる、分かる!
見た目はチャラっぽいのに、遊びに誘っても、全く相手にしてくれないよね」

「みんなで家に遊びに行くのも、許してくれないし~」

「え?そうなの?」

発言しようなんて思ってなかったのに、思わず声が出てしまった。

しまった・・・
これじゃあ、なんだか、私が先生に興味を持っているように思われたかも・・・。

と、内心ヒヤッとしたけど、女の子たちは特に気にかけることなく話し続ける。

「うん、全く相手にしてくれないの。
確かに先生と生徒が1:1で遊びに行くのはさすがにやばいと思うけど、集団で遊園地とかに遊びに行くぐらいだったらOKしてくれてもいいのにさ」

その話を聞いて、私は「ん?」と首をかしげた。

私、この前、先生と1:1でプラネタリウムに行ったけど、他の女の子達とは遊びに行ってないの?

まだ、先生の話は続く。

「は~、やっぱり高校生じゃ子供っぽくて高山ちゃんの恋愛対象外なのかな~」

ど・・・どういうことなんだろう・・・。

クラスの女子達は、私よりずっとかわいいし、大人っぽいし、明るくて男子にもモテるのに、なんで先生は私なんかにこだわってるんだろう?

他の女子は家にも寄せ付けないし、遊びにも行かないのに、私は家にも呼ばれたし(正しくは屋上)、一緒に晩ごはん食べに行ったし、デートもしたし・・・。

なんかナゾ・・・・。

と、頭の中を混乱させていると、誰かが、
「あ!そういえば、もしかしたらもう彼女ができたからかもしれないよ!」
と言い出したので、
「えっ!?」
とビックリして大きな声を出してしまった。

さすがにこの行動には他の女子も驚いたみたいで、
「どうしたの、夏菜?
もしかして、高山ちゃんのことに興味があるの?」
と聞いてきたので、
「な、無いよ!
ただ、あんなドジな先生でも彼女ができるのかな、って驚いただけで・・・」
と、かなり先生に対して失礼な発言をしてしまった。

でも、先生との関係は絶対にヒミツにしないといけないから、こう言うしか思いつかなかったのだ。

「ハハハ、確かに夏菜からすると高山ちゃんは『頼りない先生』だもんね~」
と、軽く流してくれたので、ホッとした・・・。

「それより、その『彼女情報』って、どういうことなの?」

他の女子がさらに突っ込んで聞くと、
「それがね、この前、用があって職員室に行ったんだけど、
高山ちゃんのスマホにかわいい『星のストラップ』が付いていたの。
あんなの、今まで付いていなかったもん」

心を落ち着かせようと思ってお茶を飲んでいたのに、ストラップが話題に出てきたせいで、逆に「ゲホゲホ」とむせてしまった。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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