第7話:教育実習生にメラメラ(その7)
文字数 1,436文字
「西森、どうした?」
真っ赤になった顔を見られなくて、しゃがんで顔を隠したのに、なんで近づいてくるのよ!
しかも、私のすぐそばにしゃがんで、じっとこっちを見ているなんて・・・。
近い・・・。
距離が近すぎて、私の心臓はますますドキドキ高鳴っていく。
こんな時、他の女の子たちはどういう態度を取るんだろう?
「ドキドキしてるんです」って、かわいく言うの?
そう言った方が、男の人もうれしいのかな・・・。
でも『かわいさゼロ』の私は、
「先生が、あまりにバカなこと言うので、脱力しただけです」
と、また憎らしい口をきいてしまった。
「バカ・・・」
先生は、ちょっとショックを受けたのか、そうつぶやいた後、しばらく黙ったままだ。
どうしたんだろう?
まさか、私の「バカ発言」を真に受けて、本気で怒っちゃったの?
私は急に心配になって、隠していた顔を少しだけ上げ、先生の顔をチラッと見てみた。
すると・・・
「やっと、こっち見てくれた」
と言って、先生はニコッとほほ笑んだ。
怒っていると思って様子を伺ったのに、ニコッと笑うなんて、ズルい!
どうしたらいいんだろう?
試験だったら、大体どういう問題が出てどう回答すればいいのか分かるけど、人とのコミュニケーションが苦手な私は、本当にどうしたらいいのか分からず、頭がクラクラしてきた。
オロオロしている私をよそに、先生はポケットに手を入れガサゴソと何かを探しているようだ。
そして、
「西森が何と言おうと、このストラップは外しません!」
と言って、私にストラップを見せてきた。
私があげた『星のストラップ』・・・。
ん?
でも、なぜか星の部分に透明なビニールカバーが付いている。
「え?
なんですか、このカバー?」
私は驚いて、隠していた顔を思わず上げて、先生に聞いた。
すると先生は、
「ストラップの保護カバーだよ。
せっかく西森にもらったのに、ストラップに傷が付くとイヤじゃん。
だから、付けているんだ。」
と、うれしそうに言った。
ストラップを保護するカバー・・・。
そんなモノがあるなんて、知らなかった・・・。
というか、先生がそこまで私からのプレゼントを大切にしているとは思いもしなかった。
高価な時計や、カバンじゃなくて、安物のストラップなのに・・・。
さらには、
「このストラップを見ていると、西森のことを思い出して、『おれも授業、がんばらないと!』と思って、今までよりずっと仕事をがんばれているんだよ。
ほんと『魔法のお守り』だな。」
と、私の想像をはるかに超えたことまで言い出した。
『魔法のお守り』って・・・
そのストラップにはそんな効力無いですよ!
でも、そんなことをうれしそうに話す先生を見ていたら、消えかかっていたドキドキが再発し、先生の目の前で一気に顔が真っ赤になってしまった。
「西森?」
先生が顔をのぞきこんできたため、
「ヤダ!見ないでください!」
と言って、あわてて顔を隠そうとしたが、腕をつかまれ、身動きできない状態に・・・。
真っ赤になって、恥ずかしくて今にも泣きだしそうな顔になっている私の顔を見て、先生は、
「西森、かわいい」
と一言。
カワイイ・・・
さっきウソで「脱力した」と言ったけど、先生の「かわいい」発言に『ドキドキメーター』の針は振り切れてしまった。
その瞬間、力が抜け、フラッと体が後ろに倒れていく。
「あぶない!」
先生がとっさに手を伸ばし、私の体を自分の方に引き寄せる。
その反動で、私の体はスポッと先生の腕の中に入り込んでしまった。
先生の着ている白衣からは大人の男の人の香りがした・・・。
真っ赤になった顔を見られなくて、しゃがんで顔を隠したのに、なんで近づいてくるのよ!
しかも、私のすぐそばにしゃがんで、じっとこっちを見ているなんて・・・。
近い・・・。
距離が近すぎて、私の心臓はますますドキドキ高鳴っていく。
こんな時、他の女の子たちはどういう態度を取るんだろう?
「ドキドキしてるんです」って、かわいく言うの?
そう言った方が、男の人もうれしいのかな・・・。
でも『かわいさゼロ』の私は、
「先生が、あまりにバカなこと言うので、脱力しただけです」
と、また憎らしい口をきいてしまった。
「バカ・・・」
先生は、ちょっとショックを受けたのか、そうつぶやいた後、しばらく黙ったままだ。
どうしたんだろう?
まさか、私の「バカ発言」を真に受けて、本気で怒っちゃったの?
私は急に心配になって、隠していた顔を少しだけ上げ、先生の顔をチラッと見てみた。
すると・・・
「やっと、こっち見てくれた」
と言って、先生はニコッとほほ笑んだ。
怒っていると思って様子を伺ったのに、ニコッと笑うなんて、ズルい!
どうしたらいいんだろう?
試験だったら、大体どういう問題が出てどう回答すればいいのか分かるけど、人とのコミュニケーションが苦手な私は、本当にどうしたらいいのか分からず、頭がクラクラしてきた。
オロオロしている私をよそに、先生はポケットに手を入れガサゴソと何かを探しているようだ。
そして、
「西森が何と言おうと、このストラップは外しません!」
と言って、私にストラップを見せてきた。
私があげた『星のストラップ』・・・。
ん?
でも、なぜか星の部分に透明なビニールカバーが付いている。
「え?
なんですか、このカバー?」
私は驚いて、隠していた顔を思わず上げて、先生に聞いた。
すると先生は、
「ストラップの保護カバーだよ。
せっかく西森にもらったのに、ストラップに傷が付くとイヤじゃん。
だから、付けているんだ。」
と、うれしそうに言った。
ストラップを保護するカバー・・・。
そんなモノがあるなんて、知らなかった・・・。
というか、先生がそこまで私からのプレゼントを大切にしているとは思いもしなかった。
高価な時計や、カバンじゃなくて、安物のストラップなのに・・・。
さらには、
「このストラップを見ていると、西森のことを思い出して、『おれも授業、がんばらないと!』と思って、今までよりずっと仕事をがんばれているんだよ。
ほんと『魔法のお守り』だな。」
と、私の想像をはるかに超えたことまで言い出した。
『魔法のお守り』って・・・
そのストラップにはそんな効力無いですよ!
でも、そんなことをうれしそうに話す先生を見ていたら、消えかかっていたドキドキが再発し、先生の目の前で一気に顔が真っ赤になってしまった。
「西森?」
先生が顔をのぞきこんできたため、
「ヤダ!見ないでください!」
と言って、あわてて顔を隠そうとしたが、腕をつかまれ、身動きできない状態に・・・。
真っ赤になって、恥ずかしくて今にも泣きだしそうな顔になっている私の顔を見て、先生は、
「西森、かわいい」
と一言。
カワイイ・・・
さっきウソで「脱力した」と言ったけど、先生の「かわいい」発言に『ドキドキメーター』の針は振り切れてしまった。
その瞬間、力が抜け、フラッと体が後ろに倒れていく。
「あぶない!」
先生がとっさに手を伸ばし、私の体を自分の方に引き寄せる。
その反動で、私の体はスポッと先生の腕の中に入り込んでしまった。
先生の着ている白衣からは大人の男の人の香りがした・・・。