第8話:先生のお誕生日(その21)
文字数 938文字
電話を切った後、電車に乗り込み、先生の家に向かう。
先生の家は私の家の近くなので、家族や近所の人達に見られないように行動するのが至難の業だ。
表通りだと目立つので、裏の細道から姿を隠すようにして、アパートへ向かった。
このアパートは1度来たことがある。
私が落ち込んでいた時に、先生がアパートの屋上に連れて行ってくれて、天体観測をした時だ。
でも、あの時は屋上だけで、先生の部屋には行ってない。
部屋に行くのは、今回が本当に初めてになる。
「先生の部屋は、4階の401号室・・・」
先生曰く、4階は401号室の先生と、405号室の人の二人だけが部屋を借りているらしい。
しかも、405号室の人は昼間はほとんど姿を見せないそうなので「安心しておいで」と言っていたけど、やっぱり不安は感じる。
誰かに見られないように、警戒しながら階段を登る。
そして、とうとう先生の部屋までやって来た。
あとは、ピンポンを鳴らせばいいだけなのに、妙に緊張して、なかなかボタンを押せない。
「は、早く押さなきゃ・・・
でも、なんか押すのが怖い・・・」
と、ドアの前でためらっていると、
「キャハハハハ!」
と、階段の方から誰かが話す声が聞こえてきた。
「え!?誰か来ちゃう!?」
焦ったせいで、あわててボタンを押してしまった。
押すと同時に、
「西森!?」
とドアがバッと開いて、先生が部屋から出てきた。
急に出てきたのでビックリしたが、先生の顔を見た瞬間、
「こ、こんにちは・・・」
と、ホッと安堵の気持ちがあふれてきた。
が、先生が着ている服を見て『ギョッ!?』としてしまった。
「ええっ!?
ちょ、ちょっと何着ているんですか!?」
私が衣装の裾をつかんで、問いかけると、
「え?何って、文化祭の時の執事の格好だけど?」
と、先生はさらっと答える。
そう、先生が着ていた服は、文化祭の『執事カフェ』で着ていた執事ファッションだった。
まさか、そんな格好で出てくるとは思わなかったので、驚きの余り『さっきまでの緊張していた気持ち』が、どこかに吹っ飛んでしまった。
「し・・・執事?」
なんで、そんな格好をしているのか分からず、ポカーンとしていたのだが、先生はニコニコ笑いながら、
「いらっしゃいませ。
さ、どうぞ、中に入って入って」
と言って、私を部屋に招き入れてくれた。
先生の家は私の家の近くなので、家族や近所の人達に見られないように行動するのが至難の業だ。
表通りだと目立つので、裏の細道から姿を隠すようにして、アパートへ向かった。
このアパートは1度来たことがある。
私が落ち込んでいた時に、先生がアパートの屋上に連れて行ってくれて、天体観測をした時だ。
でも、あの時は屋上だけで、先生の部屋には行ってない。
部屋に行くのは、今回が本当に初めてになる。
「先生の部屋は、4階の401号室・・・」
先生曰く、4階は401号室の先生と、405号室の人の二人だけが部屋を借りているらしい。
しかも、405号室の人は昼間はほとんど姿を見せないそうなので「安心しておいで」と言っていたけど、やっぱり不安は感じる。
誰かに見られないように、警戒しながら階段を登る。
そして、とうとう先生の部屋までやって来た。
あとは、ピンポンを鳴らせばいいだけなのに、妙に緊張して、なかなかボタンを押せない。
「は、早く押さなきゃ・・・
でも、なんか押すのが怖い・・・」
と、ドアの前でためらっていると、
「キャハハハハ!」
と、階段の方から誰かが話す声が聞こえてきた。
「え!?誰か来ちゃう!?」
焦ったせいで、あわててボタンを押してしまった。
押すと同時に、
「西森!?」
とドアがバッと開いて、先生が部屋から出てきた。
急に出てきたのでビックリしたが、先生の顔を見た瞬間、
「こ、こんにちは・・・」
と、ホッと安堵の気持ちがあふれてきた。
が、先生が着ている服を見て『ギョッ!?』としてしまった。
「ええっ!?
ちょ、ちょっと何着ているんですか!?」
私が衣装の裾をつかんで、問いかけると、
「え?何って、文化祭の時の執事の格好だけど?」
と、先生はさらっと答える。
そう、先生が着ていた服は、文化祭の『執事カフェ』で着ていた執事ファッションだった。
まさか、そんな格好で出てくるとは思わなかったので、驚きの余り『さっきまでの緊張していた気持ち』が、どこかに吹っ飛んでしまった。
「し・・・執事?」
なんで、そんな格好をしているのか分からず、ポカーンとしていたのだが、先生はニコニコ笑いながら、
「いらっしゃいませ。
さ、どうぞ、中に入って入って」
と言って、私を部屋に招き入れてくれた。