第10話:クリスマス・デート(その9)
文字数 872文字
涼介に『手を出したのか?』と聞かれ、あわてて、
「いやいや、行ってない!
行きつくところまで行ってない!」
と否定した。
涼介はじーっとおれの顔を見つめ、
「本当に?
昔の流星だったら、すぐに手を出していそうだけど、さすがに教え子に対しては抑えてるんだな」
と言う。
「ま、まぁ一応・・・」
と笑って見せたが、心臓はバクバクしている。
なぜなら、少しウソをついてるからだ。
確かに『行きつくところ』までは行っていない。
でも『キス』はしてしまったので、正確に言えば『手』は出している。
しかし、バレると何を言われるか分からないので、このまま隠し通そう・・・。
おれは話題を変えるために、
「それより涼介、クリスマスに西森とどこかに出かけたいと思っているんだけど、ほとんど人が来ないようなデートスポットとか知らない?」
と聞いてみた。
涼介は首をかしげながら、
「ほとんど人が来ないデートスポット?
そんなの、よっぽど面白くなくて人気が無いような場所しかないぞ?
それをデートスポットと呼んでいいのかも分からん」
と言う。
確かに『人が来ない』=『人気のない場所』だ。
そんな場所にデートに出かけても、涼介の言う通り楽しくないだろう。
ビールの入ったコップを握りしめながら、
「だよなぁ・・・。
立場が立場だから、デートなんて出来っこないのは分かっているけど、でも、付き合い始めて最初のクリスマスだから、思い出に残るようなことがしたいんだけど・・・」
とつぶやくと、涼介が、
「そういえば・・・」
と何かを思い出す。
「何?何かあるの?」
目を輝かせながら問うと、涼介は、
「またうちの職場の近くで申し訳ないんだけど、五色山の頂上付近に展望台があるの知ってる?」
と聞くので、
「五色山の頂上に?
いや、あまり知らないけど」
と答える。
涼介はスマホで地図を表示し、おれに見せながら、
「展望台からの夜景もキレイなんだけど、その入り口の公園の片隅で、ひっそりとイルミネーションやってるんだ。
でも広報活動もしれないから、ほとんど誰も来てないんだよ。
帰り道に横を通るけど、けっこうキレイだから、一応おススメしておく」
と言った。
「いやいや、行ってない!
行きつくところまで行ってない!」
と否定した。
涼介はじーっとおれの顔を見つめ、
「本当に?
昔の流星だったら、すぐに手を出していそうだけど、さすがに教え子に対しては抑えてるんだな」
と言う。
「ま、まぁ一応・・・」
と笑って見せたが、心臓はバクバクしている。
なぜなら、少しウソをついてるからだ。
確かに『行きつくところ』までは行っていない。
でも『キス』はしてしまったので、正確に言えば『手』は出している。
しかし、バレると何を言われるか分からないので、このまま隠し通そう・・・。
おれは話題を変えるために、
「それより涼介、クリスマスに西森とどこかに出かけたいと思っているんだけど、ほとんど人が来ないようなデートスポットとか知らない?」
と聞いてみた。
涼介は首をかしげながら、
「ほとんど人が来ないデートスポット?
そんなの、よっぽど面白くなくて人気が無いような場所しかないぞ?
それをデートスポットと呼んでいいのかも分からん」
と言う。
確かに『人が来ない』=『人気のない場所』だ。
そんな場所にデートに出かけても、涼介の言う通り楽しくないだろう。
ビールの入ったコップを握りしめながら、
「だよなぁ・・・。
立場が立場だから、デートなんて出来っこないのは分かっているけど、でも、付き合い始めて最初のクリスマスだから、思い出に残るようなことがしたいんだけど・・・」
とつぶやくと、涼介が、
「そういえば・・・」
と何かを思い出す。
「何?何かあるの?」
目を輝かせながら問うと、涼介は、
「またうちの職場の近くで申し訳ないんだけど、五色山の頂上付近に展望台があるの知ってる?」
と聞くので、
「五色山の頂上に?
いや、あまり知らないけど」
と答える。
涼介はスマホで地図を表示し、おれに見せながら、
「展望台からの夜景もキレイなんだけど、その入り口の公園の片隅で、ひっそりとイルミネーションやってるんだ。
でも広報活動もしれないから、ほとんど誰も来てないんだよ。
帰り道に横を通るけど、けっこうキレイだから、一応おススメしておく」
と言った。