第9話:風邪をひいた日の話(その4)
文字数 1,053文字
女子たちの「夏菜、大丈夫かな?」という声に、思わず、
「西森がどうかしたのか?」
と、反応してしまった。
おれにそう聞かれた女子たちは、
「え?」
と、ちょっと驚いた顔をしてこっちを見ているので、おれは心の中で、
『しまった~っ!!』
と叫んだ。
バカーっ!!
これじゃ、完全におれが西森のことを気にしているのが、バレバレじゃないか!!
しかも『夏菜』の名前で、反応するなよ!!
「西森さん、大丈夫かな?」だったら、まだ少しはセーフだったかもしれないけど、「夏菜」の名前で反応するって、先生としてはありえないだろ!!
これは完全にヤバい!!
どうごまかそうかと、頭の中で必死に言い訳を考えていたのだが、女子たちの反応は意外とあっさりしていて、
「高山ちゃん、そうなの、ちょっと聞いてよ。
夏菜のことなんだけど・・・」
と普通に話を始めたので、おれは心の中でホッとした。
よかった・・・
そんなに怪しまれていなかったみたいで、ほんと、よかった・・・。
というか、西森のことだ。
「西森に何かあったのか?」
再度、おれが聞くと、女子たちはうなずき、
「体調が悪かったみたいなんだけど、そのまま塾に行っちゃったの。
熱があったみたいだから、無理しない方がいいよ、って言ったのに」
と答える。
初耳情報に、おれは驚き、
「え!?熱って高熱か!?」
と聞くと、女子たちは、
「ううん、そんなに高熱ではないみたいだけど、なんか朝から体調悪かったみたいだったから、心配というか・・・」
と言うので、おれもどんどん心配になってきた。
誕生日会の時は、元気そうだったのに、急に熱ってどういうこと!?
おれの家に来た時に、もしや、風邪ひかせちゃった!?
え?
でも、風邪をひかすようなことは、何もしてないはずだけど、おれ、何かやらかしてしまった!?
頭の中がパニックになって、青ざめた顔で立ち尽くしていると、女子たちが、
「とりあえず夏菜には、明日は無理しないで休んだ方がいいよ、って伝えたから、もしかしたら、明日は夏菜休むかも」
と言ってきたので、ハッと我に返る。
おれは教師の顔に戻り、
「分かった。
担任の吉川先生にもその旨、伝えておくよ。
ありがとう」
と言って、その場を去った。
と同時に、携帯を取り出し、西森に急いで電話をかける。
時計をちらっと見ると、もう4時過ぎだ。
もしかしたら、塾が始まっているかもしれない。
『ルルルル~』と呼び出し音だけが、むなしく何回も鳴っている。
「やっぱ、もう授業始まっちゃったかな・・・」
そう思って、あきらめて電話を切ろうとした時、
「はい?先生?」
と西森の声が聞こえた。
「西森がどうかしたのか?」
と、反応してしまった。
おれにそう聞かれた女子たちは、
「え?」
と、ちょっと驚いた顔をしてこっちを見ているので、おれは心の中で、
『しまった~っ!!』
と叫んだ。
バカーっ!!
これじゃ、完全におれが西森のことを気にしているのが、バレバレじゃないか!!
しかも『夏菜』の名前で、反応するなよ!!
「西森さん、大丈夫かな?」だったら、まだ少しはセーフだったかもしれないけど、「夏菜」の名前で反応するって、先生としてはありえないだろ!!
これは完全にヤバい!!
どうごまかそうかと、頭の中で必死に言い訳を考えていたのだが、女子たちの反応は意外とあっさりしていて、
「高山ちゃん、そうなの、ちょっと聞いてよ。
夏菜のことなんだけど・・・」
と普通に話を始めたので、おれは心の中でホッとした。
よかった・・・
そんなに怪しまれていなかったみたいで、ほんと、よかった・・・。
というか、西森のことだ。
「西森に何かあったのか?」
再度、おれが聞くと、女子たちはうなずき、
「体調が悪かったみたいなんだけど、そのまま塾に行っちゃったの。
熱があったみたいだから、無理しない方がいいよ、って言ったのに」
と答える。
初耳情報に、おれは驚き、
「え!?熱って高熱か!?」
と聞くと、女子たちは、
「ううん、そんなに高熱ではないみたいだけど、なんか朝から体調悪かったみたいだったから、心配というか・・・」
と言うので、おれもどんどん心配になってきた。
誕生日会の時は、元気そうだったのに、急に熱ってどういうこと!?
おれの家に来た時に、もしや、風邪ひかせちゃった!?
え?
でも、風邪をひかすようなことは、何もしてないはずだけど、おれ、何かやらかしてしまった!?
頭の中がパニックになって、青ざめた顔で立ち尽くしていると、女子たちが、
「とりあえず夏菜には、明日は無理しないで休んだ方がいいよ、って伝えたから、もしかしたら、明日は夏菜休むかも」
と言ってきたので、ハッと我に返る。
おれは教師の顔に戻り、
「分かった。
担任の吉川先生にもその旨、伝えておくよ。
ありがとう」
と言って、その場を去った。
と同時に、携帯を取り出し、西森に急いで電話をかける。
時計をちらっと見ると、もう4時過ぎだ。
もしかしたら、塾が始まっているかもしれない。
『ルルルル~』と呼び出し音だけが、むなしく何回も鳴っている。
「やっぱ、もう授業始まっちゃったかな・・・」
そう思って、あきらめて電話を切ろうとした時、
「はい?先生?」
と西森の声が聞こえた。