第9話:風邪をひいた日の話(その3)
文字数 832文字
「最近、西森ってかわいくなったと思わない?」
掃除中の男子生徒からの発言に、思わず、
「はあああああ!?」
と、驚きの大きな声を出しそうになった。
『最近』って、西森は昔からかわいいよ!
というか、なんでそんな話をしてるんだ!?
心の中で叫んでみたが、どうすることもできないので、廊下の壁に身を隠したまま、教室の中から聞こえてくる声に耳を澄ます。
掃除中の男子たちは、まだ西森の話をしているようだ。
「あ、分かる。
西森、前はちょっと取っつきにくかったけど、最近、性格が少し丸くなった?
よく笑うようになったよな」
「そうそう、この前、おれが落とし物をした時に、拾って届けてくれたんだけど、ニコッと笑った顔がすっげーかわいかった!
ギャップ萌え、っていうの?
いつもはムスッとした顔してるくせに、笑った時のかわいさが、なんかたまらないというか」
「マジで?
おれ、まだ笑った顔見てないから、今度話しかけてみようかなあ~」
立ち聞きしながら、おれは、
『やばい・・・。
他の男たちにも、西森の「かわいさ」がバレ始めている・・・』
と危機感を持ってしまった。
もーっ!!
そんなこと、おれは半年以上前から気づいてたってば!
というか、お前ら、気づくの遅すぎんだよ!
西森はすでに、『おれの彼女』だから、今からアタックしても無理だぞ!
と、今すぐ教室の中に入って、言ってやりたかったけど、立場上、言えるはずもない・・・。
ううっ・・・
こういう時、西森と同級生だったら、コソコソと隠れずに、交際宣言もできるのに・・・。
不安や焦りやらで、がっくり肩を落としてしまいそうになったが、後ろ向きなことを考えていてもしょうがないので、考えを改めよう!
うん、きっと大丈夫!
だって、西森の好きな人は「おれ」だし、誰かが邪魔しにきたとしても、そんな簡単に二人の仲を引き裂けるわけがない!
『西森の彼氏』だということに自信を持とう!
そう思い直して、職員室に戻ろうと向きを変えたとき、
「夏菜、大丈夫かな?」
という女子の声が後ろから聞こえてきた。
掃除中の男子生徒からの発言に、思わず、
「はあああああ!?」
と、驚きの大きな声を出しそうになった。
『最近』って、西森は昔からかわいいよ!
というか、なんでそんな話をしてるんだ!?
心の中で叫んでみたが、どうすることもできないので、廊下の壁に身を隠したまま、教室の中から聞こえてくる声に耳を澄ます。
掃除中の男子たちは、まだ西森の話をしているようだ。
「あ、分かる。
西森、前はちょっと取っつきにくかったけど、最近、性格が少し丸くなった?
よく笑うようになったよな」
「そうそう、この前、おれが落とし物をした時に、拾って届けてくれたんだけど、ニコッと笑った顔がすっげーかわいかった!
ギャップ萌え、っていうの?
いつもはムスッとした顔してるくせに、笑った時のかわいさが、なんかたまらないというか」
「マジで?
おれ、まだ笑った顔見てないから、今度話しかけてみようかなあ~」
立ち聞きしながら、おれは、
『やばい・・・。
他の男たちにも、西森の「かわいさ」がバレ始めている・・・』
と危機感を持ってしまった。
もーっ!!
そんなこと、おれは半年以上前から気づいてたってば!
というか、お前ら、気づくの遅すぎんだよ!
西森はすでに、『おれの彼女』だから、今からアタックしても無理だぞ!
と、今すぐ教室の中に入って、言ってやりたかったけど、立場上、言えるはずもない・・・。
ううっ・・・
こういう時、西森と同級生だったら、コソコソと隠れずに、交際宣言もできるのに・・・。
不安や焦りやらで、がっくり肩を落としてしまいそうになったが、後ろ向きなことを考えていてもしょうがないので、考えを改めよう!
うん、きっと大丈夫!
だって、西森の好きな人は「おれ」だし、誰かが邪魔しにきたとしても、そんな簡単に二人の仲を引き裂けるわけがない!
『西森の彼氏』だということに自信を持とう!
そう思い直して、職員室に戻ろうと向きを変えたとき、
「夏菜、大丈夫かな?」
という女子の声が後ろから聞こえてきた。