第7話:二人の夏休み(その11)

文字数 513文字

涼介に、
「女子高生と二人きりで星を見るのはヤバくないか?」
と言われ、冷静になって考えてみると、教育委員会的には完全にアウトな行為だ、と思った。

というか、もうすでに完全に『アウト』的な行為は繰り返してきているから、今さらどうこう言える立場ではないが。

おれがあれこれ考えて黙っていると涼介が、
「別に流星を家に泊めるのは構わないけど、おまえ、西森ちゃんと星を見る時、ちゃんと踏みとどまれるんだろうな?
理性吹っ飛ばして、変な行動とか起こさないだろうな?
おれは、それが心配だ」
と言ってきた。

「うっ」

思わず返答に困ってしまう。

『理性を吹っ飛ばしません!』と言うのは簡単だが、シチュエーションがシチュエーションだからな・・・。

夜の山で、かわいい西森と二人で天体観測。

辺りは真っ暗だし、急に変な欲望が走り出さない、と100%言い切れないのが正直なところだ。

すると、涼介が、
「『手を出さない』自信が無いのなら、おれも一緒に観測会に行ってやろうか?
3人だったら安心だろ?」
と、ナゾの提案をしてきたので、思わず、
「はあ!?」
と叫んでしまった。

いやいやいや、有り得ないから!!

なんで、おれと西森の貴重なデートタイムに、おまえが割り込んでくるんだよ!!
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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